「健康を害するおそれのあるレベルの騒音」を出す幼児──。
ピアノ話のつづき。
電子ピアノか、アップライトか
ピアノ教室も1年がんばったし、いつも家のキーボードで遊んでいるし、ちょっと楽器をステップアップしてもいいかも、と思い始めた一番のきっかけはこっこの
「家のピアノ(キーボード)だと、音の強い弱いがこっちゃんの心と同時に表現できないんだよなあ」
というなんかそれっぽいこと言ってるかんじの話でした。
うちのキーボードも鍵盤はペラペラじゃないし進化したなあってかんじなんですけどね。
ただこっこはキーボードに触っている時間は多いものの、教本の進みなどはむしろ全然遅いほうで、ピアノの先生に対しても「わたし幼稚園とか他の習い事で忙しいからピアノの宿題やる時間あんまないんだよね〜」と文句たれる始末。
文句はたれるし宿題もギリギリになって泣きながらやっていることもあるけれど、それでも「ピアノのレッスン休みたい、やめたい」とは1度も言ったことはないこっこではある
発表会を経てやる気が出たとはいえ、こっこは練習熱心なタイプではなく……。
音楽の道を志すなら「1日最低8時間は部屋にこもって練習しろ、全ての友人を失うまで出かけるな」という名言もありますし(敬愛するslipknotのギタリストのミックが言ってた)、こっこの将来の夢はあくまでピアノも弾ける宇宙飛行士、とのこと。
ミックが言うから
それなら正直いつまで続く習い事かわからないし、今後転勤もあるかもしれないし、マンション住まいだし、小学生になったら家にいる時間も限られてくるし……。
どう考えても電子ピアノのほうが絶対我が家のライフスタイル向きではありました。
知り合いのピアニストたちにヒアリングしてみる
長年の友人や、幼稚園で一緒に役員をやっているママさんにも音大出の方がいらっしゃるので「電子ピアノとアップライト、どちらがいいか」「防音対策はどうしてる?」などなど聞いてみました。
みなさま「経済的な負担もあるし場所も取るし、もうちょっとピアノ続けられてから購入を検討してもいいんじゃない?」「指の力はもちろんアコースティックのほうがつくし、音作りの楽しさがピアノの魅力だけど……」と、親身になって相談に乗ってくれて、一番はこっこがピアノを好きなことをとても喜んでくれました。
しかしピアニストの方々は最終的には「まあうちは生まれたときから家にグランドピアノあったからなあ」ということで、ピアニストにアップライトか電子ピアノで音量下げて弾くかなんて問いは、大谷翔平に「いつもバット思い切り振ってる?」と聞くくらいの愚問であったかもしれないしみんなミックだった。
そんなこんなでいろいろ夫とも話し合いまして。
こっこの言う「音の強弱と心の表現」の話はきっと、彼女の耳や音楽を愛する心が育っている証拠かもしれないし、指の力も何をするにせよ鍛えられるならそりゃ鍛えたほうがいいに決まってるし。
指の力を鍛えて何をするか、というところで「飛んでいるハエを箸でつかまえる」しか浮かばなかったけど
ピアノエンジョイ勢でもアップライトを弾いてみていいじゃないか!! という気もしてきました。
それにもちろん音楽はきっと、宇宙で英語以上の共通言語として身を助けてくれる日も来よう。
ということで、気軽に試せそうな月額レンタルサービスのアップライトピアノを申し込んでみて、家に置いて我が家のライフスタイルにも合うか様子をみてみようかな、とひとまず決意。
マンションだと防音対策がネック……
しかしレンタルでもアップライトピアノをお迎えするにあたり、マンション住まいの我が家は防音対策を万全に近い状態にしておくことと、ピアノは一度搬入すると動かすのは至難の技なので設置する部屋をしっかり決める必要があります。
おもちゃや本でごちゃついた我が家の腐海エリアを、こっこは「こっこの森」と呼んでいる
荒川家の住環境はもともと遮音性能をアピールしているマンション&前の家主さんも音楽関係の方だったり、規約でも「ピアノ教室主宰OK」というくらいなので、希望的観測で言えば近隣にめちゃくちゃ音が響くかんじではなさそうなのですが……。
それでもアコースティックピアノを置くとなると打鍵音対策でマット等を敷いたり、そして背面からの音の対策もしないといけない。
防音室の設置などはこっこがピアノを小学生になっても続けていて、1日8時間練習するような人になったら……ということでいったん置いておいて、
そこまでになったら防音室用意するかアイオワに移住する
最低でもやっておいたほうがよさそうな防音対策を書き出してみると、
・消音ユニットのついたピアノにしておく
・床に防音シートや防音タイルマットなどを敷く
・防振インシュレーターの設置
・背面にアップライトピアノ用吸音パネル設置
・防音カーテン(カーテンは防音に効果ないという話だけど)
・使わなくなったベッドカバーをピアノにかけてみる
・二重窓の施工
・吸気口に防音スリーブを突っ込んでおく
ひとまずこれくらいとなりました。
ここまでやるとお金もかかるし、処分費もかかるだろうし、
レンタルピアノでも「気軽にお試し」というメリットがあまりない……。
そんなことを夫とあーだこーだ相談しているときに、たまたま素敵な来歴かつ消音ユニットのついた中古のアップライトピアノと出会い、これも縁だと思い切ってそちらを購入しました。
中古アップライトピアノを購入!!
我が家が出会ったピアノはアンティークレベルの古いピアノでしたが、何度かのメンテと毎年の調律を経て、持ち主のご家族に大事にされていたことがよくわかるピカピカのピアノ。お子さんがグランドピアノにステップアップされるということで、格安でお譲りいただきました。
ピアノの写真撮ると惚けた自分たちがめっちゃ映り込む
中古ピアノは博打のようなものですが、ピアノの音色とか状態とかは正直ショールームに試弾に行っても素人なのでよくわからないし、吸音パネルなどをつけることでどうせ音の響きも変わってくるだろうし、まだそこまでこだわらなくていいかも、というのが夫との共通意見でした。
それに長年「かわいがられていたピアノ」を受け継ぐことで、こっこには物を大切にする気持ちを養うことと、音楽を愛する人たちの心を繋いでいって欲しいなと考えていたので、ちょうどよかったです。
仲間割れしつつ連弾を楽しむ二人
そうして我が家にやってきたピアちゃん(こっこ命名)の余生はこっこ&夫の子守に。
とても素敵な音色のピアノです。
調律師さんにも見ていただいて、とりあえず状態はOKみたいなので穴が開くまでこちらのピアノをメンテしながら弾きたいと思います!
防音対策もしたけれど
ピアノの置き場所はリビングと迷いましたが、書斎に置くことに(本が吸音材になることを期待……)。
上記に書いた防音対策も全て行い、練習時間も平日は10時〜17時の間の1時間、休日は11時から、とこっこと決めました。
制限時間を設けたことでこっこも先に宿題の曲を集中して練習して、残り時間で好きな曲を弾く、というかんじでメリハリもできたし、アップライトピアノがあることでピアノがますます楽しくなったようで、キーボードをパラッと弾いて遊ぶ時間もとても増えました。
キーボードはリビングのこっこゾーンに
そして
「ピアちゃんは老体にムチ打ってるピアノだから乱暴にしないでね」
とこっこに言っておくことで、めちゃくちゃに弾いたり叩いたりすることもないです。
それでも集合住宅ですし、苦情がきたら消音ユニットを使って練習しよう。
と、ここまで書いておいてなんですが、今回のピアノ導入にあたって騒音計アプリで我が家の出す音を調べたところ、ピアノの音より普段のこっこの喋り声のほうが大きいということがわかり、ご近所さんの本音としてはこちらの「ピアノの音でご迷惑おかけします」に対してそんなどころの話じゃないんだろう……。
改めてご近所さんには全然顔向けできないな、と思いました。
ピアノ搬入を機に防音対策をいろいろ施したことで、気も引き締まりましたし(わたしもよくこっこに朝から「はやくー!」とか大声出してしまっていたし……)少しでもマシになっているといいな……。
ピアノ話はつづく。
▼ギターするなら
▼実際に買ったピアノまわりの防音グッズはこちら。
背面パネルとインシュレーター、ピアリビングの防音シートの上にMUTEというジョイントマットを敷いています。
ピアノの音対策といえばまず弾いたことによって出る音(音楽)のことかと考えていたのですが、こっこが消音ユニットをつけて弾いている様子を見ていたら、「ガコン! ガコン!!」とハンマーが弦を打つときの音自体もけっこう響くもので……。
防振対策もいろいろやっておいたほうがいいんだな〜と勉強になりました。
ITOMASA アップライトピアノ用 防音パネル 静音(しずかね) DX
▼マットはこちら
ただこれらのグッズを何も設置していない状態での音を測れていないので、グッズがどれくらい効果があるかは謎……。
▼このベッドカバーがピアノカバーとなった……
断熱カーテンライナーは1回買い換えて、まだつけてます。リビングの植物が冬でもなんかよく育つ