夫の子育て活動
おめでた日記。
22週を迎えたばかりのある日、歩いているときに突然ギューっとお腹が痛くなってしまいました。
家に慌てて帰って横になっても、お腹が膨らんで1時間に2回くらいのペースでパンパンに!
お腹の張り=陣痛に繋がるということで、これはまずいんじゃないかと緊急で病院を受診したところ「切迫早産」との診断。
家のなかでの軽い家事以外はできるだけ横になっているようにと言われ、しばらく薬をもらって自宅で安静にしていました。
わたしの場合、お腹のなかで赤ちゃんと外界(というのか)の蓋の役割をしている「子宮頸管」の長さが短くなり、それの長さが25mmを切ったら入院というところ27mmとギリギリだったようで。ちなみに22週にあるべき長さは35mm〜40mmくらい。
このままどんどん短くなると蓋が開いて、赤ちゃんが早々と出てしまいます。
当時はまだ6ヶ月だったので、診断を受けたときはどうしようと真っ青になりました。
結果的には安静と張り止めの薬が効いたみたいで、2週間後の診察では子宮頸管が40mm以上の安全圏まで回復しており、安静解除となりました。
こんなミリ単位で右往左往する世界とは恐ろしい……。
とはいえ現在もまだまだ予定日までは長いので、けして無理はしないように今後も気をつけて過ごしたいと思います。
自宅安静中はほとんど動かないようにしていたので、夫にはずいぶん負担をかけてしまいました。
夫は仕事に行き(狩り)、帰ったら妻のごはんを作り(給餌)、そして妻の太ももを温める(抱卵)という育児活動をせっせと行なってくれました。
そのけなげな姿はNHKの『ダーウィンがきた!』にドキュメンタリーを撮ってほしかったほど……。
独身の頃は、「出産は女性ばかり痛くて苦しくて大変そう。不公平だ」なんて思っていましたが、いま夫を見ていると「夫(男性)のほうもかなり大変そうよ……」とあの頃の自分に伝えたくなります。
ここからごはんメニューなどを書いて長くなったので目次。
切迫早産の原因
切迫早産は先天的に子宮頸管が短くなりやすかったり、感染症や炎症だったりさまざまな原因があるみたいですが、「これだ」という明確な理由は不明なことが多いみたいです。
わたしはもともと流産・早産になりやすいリスクを抱えた体質ではありますが、なんとなく今回の切迫早産で心当たりがあったのは「便秘」と「冷え」でした。
実際それらを解消するとお腹の張りや痛みがなくなり、週数のわりにズドンと下に広がっていたお腹がキュッと上がってコンパクトになりました。
夫にも「目に見えてお腹が上がったね」と言われました
ということで思い出の記録もかねて、切迫早産の安静中の生活や、やってみてよかったことを書いてみます。
ただ、切迫早産は「気にしないで過ごしたよ」という人もいれば「安静にしていても子宮頸管が短くなるタイプだったから3ヶ月入院したよ」という人もいて、タイプは人それぞれ違うもの……。
わたしももしかすると「1回は良くなるけどまた切迫になる」タイプかもしれないので、「切迫早産が治った」とは言い切れません。まだまだ油断ならないです。
はあ〜大変だ。
張り止めの薬で悪夢を見る
まず2週間の安静期間中のみ、1日3回リトドリン(ウテメリンのジェネリック)という張り止めの薬を服用しました。
毎食後に服用ということでしたが、そうなると夜から朝にかけて時間が空きすぎてしまうので朝方が心配。タイマーをかけて8時間置きを目安に飲んでいました。
自宅安静になって最初の3日はトイレと食事以外は全く動かないようにして、薬を飲んだタイミングでシャワーを済ませました(安静中は洗髪は3日に1回、体は毎日洗っていました)。
こちらの薬は副作用が強いみたいで、わたしも飲んで最初の2日はたまに胸のあたりが痛くなってゼーゼーと息切れする副作用が。
寝ているときも苦しかったらしく、どこかのマスクマンとマスクはぎタッグマッチの試合をして胸をブーツで踏まれ続けるというつらい夢を見ました。
飲む直前にバナナやクラッカーを食べて服用したときは初日でも副作用がなかったので、お腹になにか入れて飲んだほうが良い薬なのかもしれません。
骨盤ベルト(トコちゃんベルト)を購入
妊婦さんは5ヶ月の戌の日から腹帯を巻く「帯祝い」の習わしがありますが、「腹帯や骨盤ベルトは合わないと逆にお腹の張りの原因となる」と読んだので、お腹が大きくなってきても特に何もつけていませんでした。
しかし切迫早産と診断されて、藁にもすがる思いで「切迫早産に効果がある」らしいトコちゃんベルト2を購入。
値段が半額でほぼ同じような形の別メーカーのものもありましたが、切迫早産で赤子の命がかかっているのでパチもんはどうかな……と思ったのと笑、いかんせん夏場は蒸れる!!! ベルトもすぐ汗臭くなる!!!
他メーカーのものの耐久性はわかりませんが、頻繁に洗濯してもマジックテープがへたる気配がないこちらを買ってよかったかなと思います。乾くのも早いです。
トコちゃんベルトは着け方にコツがいりますが、着け方や体操のハンドブックも付録でついているし、大腿骨の大転子の位置を意識するとなんとなく気持ちよい位置で着けられます。
安静中は常に腰の下に枕を入れて、骨盤高位の姿勢&ベルト着用で過ごしていました。
いまもベルトは朝目が覚めたらすぐベッドで着けて、夜寝る直前まで手放せません。
トコちゃんベルト2はこちら。
↑ 夏なのでアンダー腹巻付きセットではなくベルト単品を買いました。
本当はおトイレのことを考えるとアンダー腹巻きがあったほうが使い勝手はよさそうです(アンダー腹巻きがないとトイレのたびにベルトをずらすことになるので、毎回着け直してて少しめんどくさい)。でもいまの季節は腹巻は暑くて無理だー。
便秘と便秘解消メニュー
切迫早産の一番の原因はこれだったんじゃないかな……と思うのが便秘。
汚い話ですが、安定期に入ってからひどい便秘に悩まされていました。
切迫早産の診断を受けたのも、1週間くらいまともなお通じがなくてお腹がパンパンだったとき。
ましてやわたしは食べる量が多いので、出ないのにガツガツ食べて溜め込んでの繰り返しで、どんどん体が重くなるわけで……。子宮頸管にずいぶん負担がかかっていた気がします。
もしかすると便秘のせいで気が付かなかっただけで、22週で腹痛が起こるずっと前から継続的にお腹が張っていたのかもしれません。
というか15週くらいで一度、病院には行きませんでしたが「いたた」くらいの腹痛がありました。そのときは2.5合のチャーハンと2.5合のオムライスを夫と分けあって食べた帰り道でした。食べ過ぎだった。
出したいのに硬い留めフンが邪魔するし、だけどふんばるのもお腹が張りやすくなるから怖いしで本当につらかったです。
留めフン=熊が冬眠時の排泄を止めるため、栓代わりに貯める硬いフン。冬眠が明けたらすごい勢いで出す
便秘解消メニュー
ただでさえ便秘のところ切迫早産の自宅安静となって、運動不足で便秘がますます悪化してしまいそう。
はてどうしたものかと困っていたところ、夫も一緒に「便秘解消ごはん」を考えてくれました。
そしていろいろ試した結果、わたしの便秘には「ごぼう」が効くことが判明!
便を増やし腸の運動を促す不溶性食物繊維(ごぼう)は摂取しすぎると逆に便を硬くするみたいですが、便を軟らかくする水溶性食物繊維を含む食材も同時にたっぷり摂れば問題なし!!
ということで、ここからあくまでわたしの腸に効果があったメニューですが、便秘を解消できたごはんをご紹介。
・ごぼうとキャベツの時短カレー
仕事から帰った夫が急いで作ってくれました。たっぷりめのオリーブオイルでごぼう2本ぶんとキャベツ少々を炒め、レトルトカレーを加え、カレー粉やら白だしやら切った中玉トマトを入れて少し和風の味付けにのばす。
食べるときに追いオリーブオイルをしてさらにお通じよく。
(レトルトではないカレーのほうが体に良いけれど、たまたまレトルトカレーがあったのでレトルトアレンジの時短メニューとなりました)
・豚バラとごぼうとキャベツのフライパン蒸し、トマトだれ
これは最近の我が家のヒットメニュー!
フライパンにキャベツ→豚バラ(ロースでも)→水にさらしたささがきごぼう、中玉トマトたくさん、きざみにんにくを入れてタイム、ドライパセリ、塩コショウを振って料理酒、オリーブオイルをたっぷり回しかけ、蓋をして10分くらい蒸します。
しめじを入れても美味しい!
食べるときに、取り皿に野菜やお肉の水分から出たスープを取ってそこにトマトを潰し、塩をごく少々入れて「トマトだれ」を作って食べます。
ここでタレにもオリーブオイルをかけるとコクも増してお通じもさらに良くなるのでおすすめです!
材料を切って蒸すだけで洗い物も少ないので、安静中のあまり台所に立っていられないときのごはん支度にも重宝しました。
・ビーツのスムージー
生のビーツ小さめ半分、バナナ1本、無糖アーモンドミルク200mlをミキサーにかける。
ビーツは葉酸も豊富で、古代ローマ時代は便秘の治療にも使われていたとか。ローマ人も便秘に悩むんだなあ。
今年も北海道から美味しいビーツをたくさん取り寄せました。
新鮮なビーツは甘いのでスムージーにしても飲みやすいです(お取り寄せ元についてはボルシチの記事にて)!
もちろんボルシチもたっぷり食べています。↑のレシピでお肉を牛肉(やすいステーキ肉)バージョンで作ってもらったところ、夫も簡単にボルシチが作れたみたいです。
・つゆもち
こちらは以前お雑煮のブログを書いたときにコメントで教えていただいて、お手軽でおいしいのですっかりハマり、お餅があるときに必ず作るメニュー。
鶏肉とささがきごぼうをお酒で炒めて、しょう油仕立てのおつゆにしてお餅を入れて煮ていただきます。
夫アレンジは、まず1日めは椎茸も入れて煮物として夜ごはんに(しょう油の他に隠し味でめんつゆとオイスターソースも入れたらしい)。
ある日の夫ごはん。家にあるもので夜ごはんを用意してくれました……ありがたい
2日めのお昼ごはんのときに小鍋に煮物を入れて、水としょう油を少し加えてスープ仕立てにしてもちを煮て、インスタント!?つゆもちに。
安静中でもサッと一人で用意できて美味しいお昼ごはんでした。
・大麦とごぼうとキャベツと玉ねぎと鶏団子の豆乳スープ
キャベツと玉ねぎとささがきごぼう、茹でた大麦(もち麦)の豆乳仕立てスープに、鶏むねのひき肉団子を入れました。鶏はなくてもいいですが、あったほうが嬉しい。
鶏ひき肉が卵を入れて団子にするほどは量が少なくてそぼろみたいになっちゃいましたが、それはそれで美味しかった
作り方はキャベツと玉ねぎ、水にさらしたごぼうを鍋に入れたらお水を入れて、ブイヨン、鶏むね団子(卵、塩コショウを加えて練る)、別鍋で茹でた大麦を入れます。
ここでベーキングパウダーを小さじ1程度入れておくと、加熱しても豆乳がモロモロに分離せず、風味に影響もありません。
最後に豆乳を加えて塩コショウで味を整えたら出来上がり!
***
これらのごぼうたっぷりメニューを食べたあとにヨーグルトや乳酸菌飲料を摂ると、相乗効果でお腹の調子がますます整いました。現在もお通じは毎朝スルスルです。
ついでに夫も「理想的なフンが出る」と快調みたいです
ほかにも水分やネバネバ野菜も硬くなってしまった便の排出を促してくれるので、同時に摂るのが大事ですね。そう、一番つらかったのが留めフンを解消する瞬間だったので……。
そうそう、タイムリーにブログのコメントでも「熟したバナナがお通じに良い!」とおしえていただきました。バナナも食べなきゃ(ありがとうまゆさん!)!
冷え性解消の夫ゆたんぽ
便秘のほかにもうひとつ悩みのタネだったのが、冷えと逆子。
まだ心配する週数ではなかったものの、過去の検診ではほぼ常に頭の位置が逆さか真横の体勢を好んでいたお腹の子……。
逆子になる原因は諸説ありますが「下半身の冷え」も一因だとか。
言われてみると夏はついスカートの下も素足だったり、パジャマもひらひらのステテコパンツにしちゃうので、冷えている自覚がないうちに太ももや足首など下半身が冷たくなっていました。
赤ちゃんは温かいほうに頭を向けようとするので、このように下半身が冷えていると逆子になって、余計にお腹も張りやすくなるみたい。
それを聞いた夫、「ぼくが温めてあげるわ!」と抱卵活動を開始。
枕に腰を乗せているわたしの足の間に体温の高い夫が寝て、人間湯たんぽとして冷えた太ももを温めてくれました。
トーテムポールのようなだいぶ間抜けな姿でしたが、夫も使命感があるのか「おなかの子を育てなきゃ……」とどんなに眠そうな日も毎晩寝る前に15分ほど抱卵活動。
これがなんと功を奏して、その後の検診では赤ちゃんが頭の向きを下に変えてくれているように!!
効いた笑!!
抱卵時は、夫と赤ちゃんが頭を寄せ合っているような構図です。
いやー、妊娠出産に関してこんなに夫の担う役割が大きいとは思わなかった。
ただ、わたしとしてはいつも隣にいた夫が股間にいるようになるとその距離が少し寂しいような……。
まとめ?
ということで、ひとまず22週での切迫早産はなんとか回避できました。
助産師さんいわく赤ちゃんの発達には段階があって、24週、28週、32週、34週、そして正期産の37週の壁がそれぞれあるそうな。
この壁を越えていくと、赤ちゃんの体の機能がどんどん完成されてもしものときの救命率も上がります。
ひとつひとつクリアできるように、夫、わたし、そして赤ちゃんの3人で一丸となってがんばっていきたいと思います。
昨年から何かとトラブルの多いおめでた生活ですが、「妊娠出産は無事に行くのが当たり前ではない」という気持ちが夫婦の共通意識になっているおかげで、その意識がネガティブではなくむしろいい方向に作用して、ドンと構えた楽しいおめでた生活を送れているような気がします。ということで何があってもなんとかなるさ。
もし無事に生まれてきてくれて、将来反抗されるようなことがあったら「あなたは両親のトーテムポールのおかげで大きくなったのよ」と教えてあげたいです。
▼おめでた日記
▼その後、お産の日の思い出。切迫だったので予定日より前に生まれるかなあと思っていたら、予定日前日の夜に生まれました。安産でした!