なんかニヤニヤ近づいてきたと思ったら
海外ドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』に夫婦でハマっています。
ネタバレは避けつつドラマのおすすめポイントやお気に入りキャラクターについてと、ドラマに出てくる人工言語が面白いのでそちらの紹介を書いてみました。
長い日記となったので、興味ない方は飛ばしてください笑。
- 一度挫折するもハマる
- キャラクターが人間くさくて面白い
- 子どもには見せられない
- 全部見たあとのシーズン1に感動する
- 原作にもハマる
- おまけにもう一人お気に入りキャラ
- ドスラク語が楽しい
- (追記)最終シーズンまで観ました!
一度挫折するもハマる
こちらは2011年に始まったドラマなので今更!?ってかんじですが、以前シーズン1の途中まで一人で見たものの登場人物が多くて流し見じゃ話についていけなくなったり、エログロシーンの多さに挫折しちゃっていました。
しかしその後「ゲーム・オブ・スローンズはシーズン2から面白い」と聞いたのと、今年に入ってamazonプライムでシーズン6まで視聴可能になっていたので、ふと夫と腰を据えて見始めてみたら面白いのなんのって。二人で中毒になって最新のシーズン7まで(シーズン7はhuluに加入して観ました)一気に見ました!
今は2019年公開予定の最終シーズンを待っているところです。待ち遠しい〜!
ということで、 一度挫折したわたしが思うゲーム・オブ・スローンズを挫折しないポイントは
・流し見しない
・シーズン1の気まずいシーンに耐える
ですね……。
これさえがんばれば、いつしか物語から抜けられなくなっているはずです。
キャラクターが人間くさくて面白い
ゲーム・オブ・スローンズの物語はザックリ言うと7つの王国を統べる玉座を巡る群像劇。何人もの登場人物の視点でそれぞれのドラマを描きながら愛憎こんがらがった人間関係が交錯しつつ、さらに玉座とか言っていられないほど強大な敵の存在も明かされつつ進行していきます。
ジャンルはファンタジーですが、世界観は中世ヨーロッパをベースにしているので全体的に暗く汚く野蛮で、人はバッサバッサ死ぬし女性は虐げられているし、目を覆いたくなるシーンも多いです。
でも、そんな誰もが自由に生きられない世界で、生まれながらに蔑まれる立場だったり、女だてらに剣士を志す子だったり、政治の道具にされていただけの子がだんだんと自分の意思をもって強くなっていく姿を見ていると感動というか感慨深いというか。何十時間もの長い時間をかけて描くドラマなので、成長譚としても面白い。見守る気持ちとしては、よく例えられる「大人のロード・オブ・ザ・リング」というより「大人の北の国から」ってかんじ……。
Winter Is Coming!
そしてそれぞれの勢力を描くということはつまり、ある勢力ではメインの人物が別の勢力にとっては敵対する勢力の中心だったりするので、それぞれの登場人物の気持ちや立場がわかるからこそ「この人とこの人は戦ってほしくないなあ」とか、もしくは「うわっこいつ本当にやな奴だなあ」とか、1話を観終わるたびに「これからどうなるんだろう!」とドキドキ。
しかも登場人物は一族のため、恋人のため、だいたい「愛」か「名誉」のために突っ走っては選択を間違え裏切り裏切られ、血がブシャー!! バッタバッタと身を滅ぼしていきます。このへんのどうしようもない愚かさがとても人間くさい。
こうしたなかでわりと常識的なキャラクターが出てくるとホッとします。
うちで人気のキャラクターはシーズン2から出てくる玉ねぎの騎士・ダヴォス。
画面が基本的に暗くて寒そうなゲーム・オブ・スローンズの世界のなかで、ダヴォスはフサフサして暖かそうという安心感もある。ファンタジーだからといって玉ねぎの妖精とかではない
ドラマを見始めた頃は誰が誰だかわかりませんでしたが、だんだんお気に入りのキャラクターや勢力ができてくると、より楽しくなってきます。
でもゲーム・オブ・スローンズの恐ろしいところは、気に入った登場人物もバッタバッタと死んじゃうところ……。これからこの人が仲間になってくれるんだな頼もしいな、と思ったらすぐエグい死に方をしたり……。
いつ自分のお気に入りキャラも退場してしまうかわからないので、物語が進むのを早く観たいような、怖いような複雑な気分。
子どもには見せられない
思わず夫も「ギャー!」と悲鳴を上げる残酷で痛そうなシーンもさることながら、登場人物が姉弟で近親相姦の関係だったりエログロなシーンが多いため、ゲーム・オブ・スローンズはR指定つき。
挫折の理由でも書きましたが、最初のほうは1話に必ずといっていい程ヌードシーンや過激な行為のシーンがやたら長々とあったので、わたしは真顔で観るのに耐えられませんでした。「今日のおっぱいタイムだ〜ヒョー」と夫と笑いながら観るくらいでようやくちょうどよかったです。
ということで子どもには絶対見せられないドラマ。
鑑賞後はさっそく夫がわたしの喉を切る真似(ドラマではよく喉をかき切られて死ぬ)をしてキャッキャしているので、特にお調子者の教育には絶対によくない。
子どもと夫の教育によくない
内容が内容なので万人におすすめ出来ませんが、今まで海外ドラマは見てもシーズン5くらいでだいたい挫折していたので、こんなにドラマをずっと追いかけたのは初めてでテンション高く日記にしてしまいました。
全部見たあとのシーズン1に感動する
シーズン7まで全話観てしまって寂しいなあとシーズン1を流し見直してみたら、登場人物が把握できなくて印象の薄く、気まずいお色気シーンばかりだったシーズン1のなんと面白く、伏線張られまくりだったことか。
ゲーム・オブ・スローンズをシーズン7まで通して観て泣いたことはなかったのですが、シーズン1の1話目に戻ってオープニング後のウィンターフェル城の弓の練習風景で涙腺崩壊しました笑。シーズン7まで観た人はぜひ、シーズン1の1話目に戻ってみてほしい……。
ゲーム・オブ・スローンズ:シーズン1 (字幕版) | 動画 | Amazonビデオ
泥沼の2周め突入で、まだまだゲーム・オブ・スローンズから抜けられそうにありません。prime会員、またはhulu会員は無料で観られるのでぜひ!
原作にもハマる
ゲーム・オブ・スローンズの原作小説『氷と炎の歌』シリーズも面白いんですよー!
ドラマでは駆け足だった登場人物の過去の因縁や行動の理由などがわかりやすいです。
kindleの無料サンプルをダウンロードしてみたら中身がたくさん読めて、止まらなくなって買っちゃった……。
本は最初のページに地図が載っているのが便利です。これは本を買わなくてもサンプルで事足りてしまう笑。
試し読みは危険、絶対買う
巻末の家系図なんかも物語の把握に便利。翻訳小説らしい文体なので好き嫌いもありそうですが、わたしには読みやすかったです。
おまけにもう一人お気に入りキャラ
ちょっとだけネタバレを含みます。ダヴォスのほかにもう一人のわたしのお気に入りキャラはシーズン1から登場の、最高権力者の妻・王妃サーセイ。
これはサーセイが好きというより、演じる女優さんの演技が好きです。
Lena Headey and Jimmy Kimmel Talk Game of Thrones Style
女優さんがパッとサーセイに変わる瞬間が面白い。「素敵なネクタイね……その価値のない首に巻かれているのが残、念」のイヤミったらしい言い回しがサーセイ100%で最高
ゲーム・オブ・スローンズの登場人物たちはそれぞれ王座の奪還だったり、人類を存亡の危機から救うことだったり大志をもって行動していますが、サーセイだけはなんというか器が小さく、彼女の半径数メートル以外は何も見えていません。行動も「女子校のいじわるお嬢様」とか「息子を嫁に取られまいとするいじわる姑」レベル。それなのに物語中ほぼトップの富と権力を握ってしまっているから、彼女のわりと衝動的な行動で周りがどんどん大変なことになっていきます。
基本的に憎ったらしいので、観ていて「なんて女だ!」と憤慨させられることもしばしばです。
でもシーズン1の第5話でのロバート王との会話で、心を砕かれまいと自分を押し殺そうとしている目や、その後のシーズンでは嫁ぎ先から帰ってきた娘の舟に少女のようにスカートを翻して駆け寄るときのサーセイを見ちゃうと、彼女のことは完全には憎みきれない……(このへんの女優さんの演技がすごく好き!)。
なんていうか群雄割拠のゲーム・オブ・スローンズの世界で、サーセイは場違いなほど単純な女性です。もしサーセイが彼女を愛してくれる夫に出会えて、違う人生を歩んでいたら……と思ってしまいます。
あっ、でも彼女の弟のティリオンは「サーセイは子どものときから性格が悪かった」と言っていたか。
他にも語りたいキャラクターはいますが、このへんで笑。
ドスラク語が楽しい
さて、ゲーム・オブ・スローンズは2つの大陸を舞台にしていて、メインの西の大陸の人々が話す言語は英語ですが、東の大陸の民族はそれぞれ別の言語を使うので、ドラマの世界観をより深めてくれます。
この言語がもう、わざわざ言語学者が手がけたオリジナルの人工言語だけあって文法もしっかりしていて、人称変化とか格変化とかウニャウニャした言語好きにはフェチ心がくすぐられてたまらない。
なかでも騎馬民族・ドスラク人が使うドスラク語が印象的。
シーズン1の第1話では、倒された前王の娘であり亡命中の少女デナーリスが、ほぼ身売りのような形で野蛮なドスラク人に嫁入りさせられるのですが、彼女の恐怖心や孤独が「何言ってるかわからない謎の言語・ドスラク語」を通してこちらにもひしひし伝わってきます。
しかし話が進むにつれてデナーリスも腹を決めてドスラク語を片言ながら喋りだし、視聴者もドスラク語がなんとなくわかってきて、獰猛な獣のような印象だったドスラク人の夫の愛情だったり、デナーリスの成長や覚悟、彼女の賢さを理解し、彼女の心情にまるでリアルタイムのような感覚で寄り添うことができます。
これは人工言語を使った演出ならではの面白さで、実在の言語には置き換えられないと思います。凄いなあと感心しました。
文法が合っているか自信ないですが、ドスラク語はこんなかんじ。発音はほぼアルファベット通りで、デナーリスのモノマネをしながら喋るとそれっぽくなります。
Anha Tsuma.
わたしはつま。
Kisha thiraki mer Arakawa-ku.
わたしたちは荒川区に生きて(住んで)いる。
Mahrazhkem anni oiro ma rhae mae achrae, vosma anha zhilak mae.
わたしの夫はおデブで彼の足は臭いが、わたしは彼を愛している。
喉を絞められたような、ダミ声っぽいかんじで発音するとなお良い
世界にはひまな熱心な人がいて、なんとドスラク語文法入門講座や辞書が存在します。ひまなわたしもざっと見た程度なのですが、一番簡単な動詞のさわりだけちょっとご紹介。
やってみようドスラク語
ドスラク語にはbe動詞はなく、動詞は末尾が-atで終わるタイプと-latで終わるタイプの2タイプあり、それぞれ違う形で人称変化します。
thirat 生きる
という単語は末尾が-atで終わるタイプなので、一人称単数形("わたし")の人称変化は-akがつきます。
ということで、「わたし(anha)は生きる(thirat)」は
Anha thirak. となります。
「わたしたちは生きる」だと、わたしたち(kisha)の人称変化は-akiなので
Kisha thiraki.
こんなかんじです。
続いて-lat動詞の場合を、辞書の引き方と共にザックリ見ていきましょう。
デナーリスが自己紹介のときに言う「焼けずのデナーリス」はドスラク語だと「Osavvirsak」。
辞書を引くときは「osavvirsak」で引くのではなく、動詞の原形を単語から見つけて引く必要があります。
答えを先に言うと、これは
virsalat 焼ける
という-lat動詞の変化です。
-lat動詞の一人称単数形は-kに変化するので「osavvirsak」は「virsalat」が「(Anha)virsak」に変化していることがわかります。
さらに未来形になるときの一人称単数形の動詞の頭につく「v」があるので、意味は「(Anha)vvirsak (これからわたしは)焼ける」。
そして動詞の打ち消し(英語で言うnot)を意味する「osa」が頭についているので「osavvirsak (これからもわたしは)焼けない=焼けず」という意味になっているんですねえ。スッキリ!
こんなかんじで学習を進めていくと、あなたもわたしもドスラキの仲間入りです。
話そうドスラク語! 楽しもうゲーム・オブ・スローンズ!
確かに
(参考)ドスラク語学習サイト
・ドスラク語文法入門
https://sunquan8094.weebly.com/uploads/2/4/0/0/24009571/lekhdothraki.pdf
・単語辞書
https://docs.dothraki.org/Dothraki.pdf
(追記)最終シーズンまで観ました!
ついに最終シーズンを観ました。感想はこちらから。