以前もボルシチのレシピを書きましたが、今回は体を温めてくれるラム肉を使ったボルシチをご紹介。
もちろん牛でも豚でも、ウィンナーやハムでもなんでも出来ます。
わたしにとってボルシチは日常の料理というかお味噌汁のような感覚の料理なので、シチュー用の和牛の良いお肉などを使うのはどうも抵抗があって(「ボルシチにこんな高い牛肉使うの!? 破産する!! と思ってしまいがちというか)。それで羊肉でも作るようになりました。
牛肉で作りたい場合はオージービーフとかのステーキ肉が安いときに買って、細切りにして使っています。
今回は羊に合わせてあっさりヘルシーなレシピにしてみました。
ビーツのほんのり甘い独特の味を楽しむスープですが、夫・監修のもと調整。わりと誰でも食べやすい味に仕上がるんじゃないかなと思います。
工程も材料もできるだけ簡略化してみたので、毎日のお味噌汁のように気軽にお手軽に作ってみてください。
ということで、まずは下準備から!
下準備
ディルの種をまく
ディルは羊ボルシチの必須アイテム。ボルシチを食べたい4ヶ月くらい前にプランターに種をまきます。
ごめんなさい冗談です。スーパーのハーブコーナーの生ディル、または乾燥ディルウィードを入手してください。乾燥ディルはamazonなどのネット通販か、カルディや成城石井っぽいスーパーで手に入ります。
でも、ディルは発芽しやすいし、放っておいてもボーボーになって勝手に夏と冬を越してくれるほど丈夫なので、育てるのも本当におすすめです。
蓋つきのでっかいお鍋を用意
今回のレシピは5リットルサイズスープ鍋いっぱいに作る分量です。
小さいお鍋しかない場合は、野菜を蓋付きフライパンで蒸すか、分量を減らしてみてください。
ビーツを用意
一番の難関はおいしいビーツを見つけることかもしれません。大ぶりより小〜中玉くらいがおいしいです。
ビーツを切るたびに「この手は赤く染まってしまった!」など小芝居をする夫
いろいろ試してみましたが、北海道の杉本農産さんのビーツがおすすめ。
味と色が濃くて、サイズもちょうどよくておいしいビーツです。新聞紙に包んで野菜室に保存すれば3週間はもつし、食べ切れなさそうなぶんは皮をむいて切って冷凍保存しています。(スムージーとかにする場合は蒸すか水煮したものを冷凍するのがいいらしい)。
瓶詰めや缶詰のビーツは個人的には味が薄くておすすめしません。
(おまけ)ビーツの健康効果をおさらい
ビーツといえば高い抗酸化作用。ビーツには「NO(エヌオー)」という一酸化窒素が豊富に含まれています。これはわたしたちの体の血管の内側でも生産されるもので、血管を拡げて血流を促すことでコレステロールや老廃物を流し、血管を柔軟に健康に保つ働きがあります。
ビーツは根っこを食べる野菜ですがアカザ科。エヌオーは名曲
この作用により高血圧や高コレステロールを改善、また血流が改善されることでリラックス効果と冷え性に対する効果も見られるそうです。
羊ボルシチはNOたっぷりのビーツに脂肪を燃やすカルニチンが豊富な羊肉、そしてキャベツなどの野菜のビタミンが溶け込んで、厳しい寒さに立ち向かう体を癒やしてくれる滋養スープです。
ただ「ラム肉を食べるだけで痩せる」とか「ビーツを食べるだけで痩せる」みたいな記事を見かけるのですが、そんなんじゃ痩せないということはわたしたち夫婦が身をもって証明したい
材料
・生ラム肉(焼肉用肩ロースなど、ちょっと厚みがあるものがベスト) 300g〜
※肉の存在を感じたい場合はもう少し。というか肉はなんだかんだ多めにするほうが美味い。
・キャベツ 1/2玉
・ビーツ 中3個 400g程度
・じゃがいも 中3個 300g程度
・にんじん 1本
・玉ねぎ 大1個
・ミディトマト 3個
・マギー固形ブイヨン 5個(コンソメではなくブイヨン)
・ケチャップ 大さじ2
・白ワインビネガー 大さじ1(赤ではなく白)
・ディル(または乾燥ディル) 小さじ1&飾り用
・ローレル 2枚
・水 1.5L
・無糖の生乳100%ヨーグルト 400g
作り方
水切りヨーグルト作り
まず、スープを食べるときに載せるクリーム代わりの水切りヨーグルトを作ります。真のヘルシースープにするなら無くても全然OKです。
ポイントは
・無糖の生乳100%ヨーグルト(400g)を使う
・最低6時間は水を切ること
です!
小岩井生乳100%ヨーグルトがとてもおすすめ!
我が家ではコーヒーフィルターを使って水切りします。
フィルターにラップをしてコーヒーカップに乗せて冷蔵庫へ(ヨーグルトがフィルターから溢れそうな場合は一気に全部入れず、ちょっとずつ足していってください)。最初のうちはすごい勢いでヨーグルトから出た水分(乳清)が溜まるので、様子を見て乳清を別のコップなどに入れるなどして下さい。乳清は牛乳で割って飲むとヨーグルトドリンクの味になっておいしいです。
一晩置いたらこんなかんじ。およそ半分の量に減ります。
作っている途中で3回くらいつまみ食いしたものです
牛肉で作るボルシチのときは、以前のレシピで書いたように水切りヨーグルトに生クリームを加えますが、羊ボルシチの場合は臭みを抑える意味でもヘルシーにする意味でも、生クリームなしの水切りヨーグルトの相性が良い気がするので、このまま使います。
ボルシチ作り
まずラム肉を細切りにします。
こんなかんじで細切りに
お肉が鍋底に焦げ付かない程度のオリーブオイル(小さじ1程度)を引いて、弱火で軽く炒めます。火が通ったらお肉は鍋からあげておきます。
このときお肉から出た肉汁や水分は鍋にそのまま残します。
キャベツを細切りにします。キャベツを洗った水気はそんなに切らなくて良いです。
細切りキャベツを鍋にどかっと入れて(油は引かない)、コンロの火を一番弱くして蓋をします。
次に玉ねぎを切って、鍋のキャベツに重ねて蓋をし、
次ににんじんも短冊切りにして鍋に入れ、蓋をします。
このとき野菜は混ぜたり動かしたりしないで、どんどん重ねていくことが大事。
次にビーツを切ります。皮は流しで剥いちゃうのが便利。木のまな板の場合は切るときに染まるので、牛乳パックとか新聞紙を敷くのがおすすめ。こちらも細切りにします。
ビーツを鍋に入れたら再び蓋をして、10〜15分ほどそのままごく弱火で蒸します。
この間に、あとで入れるじゃがいもやトマトを切っておいて、ビーツで赤くなったまな板などを洗ったり、他の料理を作ったり。※トマトの皮が気になる場合はおろして入れてもOK。
ビーツが蒸されてキラキラになってきたら、水1.5Lを入れて火を弱火と中火のあいだ程度に。
固形ブイヨン、ローレル、角切りトマト、じゃがいも、お肉、ケチャップ大さじ2、白ワインビネガー大さじ1、ディル小さじ1を入れます。
固形ブイヨンは分量通りなら5個入れます。お肉の量が多い場合やビーツの味をより楽しみたい場合は3〜4個にして調整してみてください。
白ワインビネガーは羊ボルシチのときは臭み取り&爽やかな味にするために入れます。
ひと煮立ちしたら、あくを取って塩と黒コショウで味付け。ブイヨンの塩分があるので塩はほんのちょっと。
あとは好みの具合になるまで煮るか、ほっておきます。作りたてのときは、鍋の具材はお皿によそうときまではあまり動かさないようにしてください。
出来上がった直後より、一晩置いたくらいの味がキャベツもじゃがいもも真っ赤になってておいしいです。
食べるときにディルをちぎり入れて、水切りヨーグルトをのせて出来上がり〜。
でも夫はバターとお肉たっぷりのボズバシュ風スープのほうが好きだと言う
スープは冷蔵庫で保存して、食べるときはかきまわして空気を入れながらしっかり加熱してくださいね。
パンを添えて
朝ごはんのときは酸っぱいライ麦パンか、あっさりノンオイルごまパンを添えて。
<即席ノンオイルごまパン>
TOMIZのハードブレッド専用粉200gに塩3gとてんさい糖3g、ドライイースト3g、水130mlを入れて捏ねて1次発酵、4つに分けて丸めて20分ベンチタイムをしたら2次発酵、パンに霧吹きをしたらごまをひっつけて、ふるいで強力粉を薄くかけ、オーブンの扉に霧吹きをたっぷりかけるか過熱水蒸気で余熱+焼成220℃で20分焼いて出来上がり。
ライ麦パンのレシピはこちら。酵母から起こすので1週間くらいかかりますが、現地の黒パンの味とほぼ同じになるはず!
牛肉のボルシチ(やっすいステーキ肉を細切りにして作る)が一番好きですが、最近はスーパーにラム肉が置いてあることが多いので、試しに羊で作ってみたらハマりました。
にんにくを入れていないので朝ごはんにも食べられるし、サッパリして臭みも気にならないかなと思います。
そうそう、ボルシチの材料のなかでも「わざわざ買うのは」と思われがちなディルと白ワインビネガーですが、副菜に白ワインビネガーとオリーブオイルとディルで魚のマリネやカルパッチョを作ったり、けっこう便利な組み合わせです。
夫作・ミディトマトとおかひじきとハマチとディルのマリネ
寒い季節にぴったりの羊ボルシチ、ビーツの旬の時期にぜひお試しあれー。