子どもはなんでも遊びにするのね……(歌ったあとマイク投げるのはやめてほしい)
こっこが3歳になったばかりの頃、画家をしている友人の個展にお出かけしました。
画家さんがいて、画商さんがいて、お客さんがいて作品を購入できるというシチュエーションが3歳児にはとても楽しかったみたいで、帰宅すると、「みなさん、こっちゃん展覧会へようこそ」と謎の受付を設け、家のあちらこちらに貼った作品の解説をしてくれるように笑。
途中で歌と踊りのショータイムもあり、充実の展覧会でした。しかも3歳だてらに「作品」「表現」というワードを使いこなしてそれっぽく説明するのが笑えました。
その後もこっこは精力的に制作を続け、「ぜんぶ壁に飾って!」と言うので我が家の壁はこっこの絵だらけに……。
もはや展覧会というより恐怖の親バカの館みたいになりました。
夫も「いいよいいよ! 額装しよう!!」とせっせとこっこの殴り書きを額装。
これは2歳9ヶ月の頃に水族館に行った際に描いた「さかな」……
自分の絵が額装されるとこっこもますます創作意欲が高まるようで、「ぜんぶ額に入れてよ」と満足げ。確かに額装するとなんかこっこの絵もそれっぽく見えるような。額縁パワーってすごい。
夫も「シャガールと並べても全然遜色ないわ」と唸っていて、すっかり親バカ館の主人に……。
なんて恐ろしい……
夫は常々「ぼくは親バカにはなりたくない、こっこに対してはフラットでいたい〜」と言っていますが、そんな夫の名言集は以下。
「シャガール(の「アルコ」)と(うちの子の絵を)並べても遜色ない」
「ぼくはしばらくルーブルに行かなくてもいいな、こっこが描いてくれるからね」
「どんな画家も(我が)子どもの感性にはかなわないな、ほら見てよ」
──学生時代は青春18きっぷで日本全国の主要美術館をほぼ全部回りまくるのが趣味だった夫も、その狂気の旅を終えたようです。幸せ者だな。
さてそんなかんじで美術鑑賞大好き夫のおかげで、こっこも0歳の頃から展覧会や美術館にせっせと足を運んでいます。
ただこっこは絵を観ても本当に面白いのかな〜、退屈してないかな〜親のエゴかな〜なんてことも思っていたのですが(こっこを抱っこして展示室を駆け足で観ることも多いので……)、
最近「ああ、子どももちゃんと絵を観て覚えてくれているものなんだ!」と驚いたというか嬉しかったのが、こっこの”模写遊びブーム”。
以前こっこが西洋美術館の企画展で観たミロを気に入っていたことはちらと書きましたが、それで買ってあげたミロの画集は1回ほど目を通しただけで、あとはぶん投げて本棚にしまいこんでいました。すぐなんでもぶん投げる……。
そのミロとの邂逅から1年近く経ち、3歳5ヶ月になったこっこが突然!!
お気に入りのアルチンボルドの画集やら美術史や宇宙の本やら、うちにある本を模写する遊びを始めました。なぜそれを急に思いついたのかは謎。
そして「青と赤の絵の本もあったよね? 出して!」と親のほうもすっかり忘れていたミロの画集もひっぱりだして、絵の具でひたすら真剣にぺとぺと。
ミロのこと覚えてたのね!!!!
と、父と母は感動しました。
なんだかこうして彼女の心のどこかにミロだったりアルチンボルドだったり芸術家が住まう小部屋ができて、彼女が自分のタイミングでふらりとそこに出入りしているのだと思うと……出張先でも必ず美術館に寄るエクストリームさぼサラリーマンの父と、いちおう学生時代は美学芸術学専攻のはしくれだった母冥利に尽きます笑!!!!
出張先で名建築と美術館と地元グルメを最大限に楽しんでくる男、夫
まあこっこも成長するにつれ自分の趣味や好きなものを見つけていくと思いますが、美術鑑賞が家族の共通の趣味になると嬉しいものだわなあ〜。
そして子どもの「なんでも遊びにする力」には、本当に驚かされたのでした。
(親バカ)
こっこのお絵かき遊びの道具の変遷については長くなったので次回!!
▼我が家はこっこの絵のほかにも壁にフォトフレームを飾りまくっているので、壁に跡がつきにくい「ニンジャピン」に画鋲を移行中です。画鋲のわりに高いけど、フォトフレームの三角吊りカンもしっかり留められて便利です。高いけど……
ツヤツヤしすぎない透明感もよい……写真うまく撮れない……。
▼こっこと行きたかったなー、アルチンボルド展