わたしが読みたい本を然るべきタイミングで読んでくれない人間は許さない、それがブックコンシェルジュ──!
1歳を過ぎて自由に歩けるようになった頃から、ブックコンシェルジュの仕事を始めたらしいこっこさん。
しかしコンシェルジュに絵本を読んであげないと攻撃されるので、親は戦々恐々としています。
前回の日記では絵本を破いた破かないで親子げんかしていましたが、今日はコンシェルジュのお気に入りの絵本について記録しようと思います。(長いですよ!)
こっこの絵本棚(1歳4ヶ月)
こっこの絵本棚はただいまこんなかんじ!
こっこと一緒に思うがまま並べたところ、シリーズがぐちゃぐちゃになりました
絵本のほとんどは、わたしの赤ちゃんの頃からの蔵書。ということでちょいと古いです。
こっこが図書館や書店で自分で選んで買った本は、「だるまさんが」「だるまさんと」と「まるさんかくぞう」、「やさいさん」。
なかなか自分の月齢に合ったチョイスをしていたと思います(さすがコンシェルジュ)。棚の「もったいないばあさん」はわたしの祖母からこっこへのプレゼント。
だるまさんシリーズでも「だるまさんの」は好みじゃなかったらしくハマりませんでした。赤ちゃんなりのこだわり
ちなみにお出かけ時のぐずり対策用の本は、こちらの仕掛け絵本です。
これまたこっこが自分で選んで買いました。赤ちゃんのくせに蔦屋書店の仕掛け絵本コーナーの本を小難しい顔で全チェックしてました笑
わたしの絵本は母との大切な思い出なので、母がしっかり湿度管理などもしてくれて30ウン年前の本ですがわりと良い状態で実家にコレクションがあります。
実家に帰るたびにこっこの好きそうな本をポツポツと持ってきていますが、実家の本棚にはまだまだ読んであげたい本がいっぱい。
そうして長年愛されてきた大事な絵本を、こっこは
ちぎっては投げ!!
ちぎっては投げ!!
湿度管理なんてなんのその!!
しかも投げるのはマシなほうで、こっこはこちらが構わないとすぐ背表紙をビリビリにかじって拗ねる。貴重な初版本や絶版本もあるのに……。
自分の大事な本をこっこに壊されたりなんかすると、こっこは娘なんですけど「自分に下のきょうだいが出来たら、こんなふうに我慢しなきゃいけないことがたくさんあったんだろうなあ」と、下がいる長子の人たちに思いを馳せてしまいます。
乱暴者なこっこですが、絵本を開くこと自体は楽しい様子。
生後8ヶ月のこっこ。夫が気に入って買った「クネクネさんのいちにち きょうはマラカスのひ」が大好き
涙あり笑いありでリズムが楽しい本です。クネクネさんが大変なところは読むたび泣ける
ブックコンシェルジュ赤ちゃんとしては、こちらが言った何気ない一言などに沿ったテーマの本を持ってきてくれます。
本棚にはいま50冊くらいの本が入っていますが、どの背表紙の本がどんな内容かをだいたい把握しているみたいで偉いものです。色とか形で覚えているのかなあ。
(それだけ本が好きなら投げないでおくれよな)
生後0ヶ月の頃のお気に入り絵本
さてこっこには生後0ヶ月の頃から、まだ目がよく見えていなくてもいいや〜と対象月齢はあまり気にせず、絵本を読んでいました。
わたしはサボるときもありましたが、夫はせっせと1日1冊読むようにしていました。偉い。
こっこが生まれる前から、我が家は夫が寝る前に新聞記事や本を朗読してくれる習慣がありました。
夫いわく、朗読の時間は「家族との大切なコミュニケーション」なんだそうな。
しかし本におじいさんのキャラクターが出てくると、ろくに「北の国から」を観たこともないくせにイメージだけの田中邦衛のモノマネで読もうとするので、本当にやめてほしい。
夫のモノマネは、この似てない似顔絵の100倍似てないです。それをこっこが真似して、将来幼稚園とかで披露するようになったらどうするんだ……誰もツッコんでくれないじゃないか
0ヶ月の頃からの読み聞かせでお気に入りだったのは「ゆうびんやさんのくまさん」と「パンやのくまさん」「うえきやのくまさん」。シリーズで6冊持っていたのに、この3冊を特に喜んでいました。
わたしも子どもの頃はくまさんシリーズ、しかも特にこの3冊が好きだったので、気が合って嬉しい。1歳を過ぎた現在も、くまさんの本は毎日読んでいます。
くまさんシリーズの印刷所はなにげに西日暮里の三美印刷なので、Made in荒川区の本といってもいい。
最近、30年以上出版されていなかった残りのシリーズ2冊が出ていたので購入しましたが、旧シリーズのほうが話がわかりやすくてこっこの食いつきもよいです
あとは”新生児は白、黒、赤い色が見やすい”と聞いて用意した、Manhattan ToyのWimmer Ferguson「See and Say Book」もずっとお気に入りでした。
Manhattan Toy Wimmer-Ferguson See and Say Board Book(amazon.com)
なんでもManhattan Toyはこのカラーリングのおもちゃの先駆けらしいです。しかしManhattan Toyは日本で買うと高いので個人輸入です笑。
生後1週間半のこっこ。実際食いつきはすごくよかったです。
3ヶ月くらいになると偉そうに自分で読んでました。
あと新生児の頃からのお気に入りの本というと、布絵本!
0ヶ月後半で物を掴めるようになってからは、いじいじ触ったり。
布絵本はプレゼントでもらったり、これまたManhattan Toyの「Lemon the Bear」シリーズを用意しました。
Lemon the Bearは料理とかキャンプとかガーデニングとか、テーマが夫好みな本。
でもこっこの食いつきで言うと、色のパッキリしたSassyやK’s kidsの布絵本のほうがよかったみたい。
それにしてもなんでかわいい布絵本って英語ばっかりなのか。ひらがなは刺繍しづらいとか……?
かといってパッキリパッキリしたものすべてが好きなわけではなく、色はビビッドだけど初期はあまり興味を示さなかった長新太さんの絵本なんかは10ヶ月頃から急にお気に入りになったり。
赤ちゃんなりに好みも変化するのか、視力の発達が影響するのか。そのへんは不思議です。
絵本のおもちゃで遊ぶ
読むだけではなくて、絵本がテーマの積み木のおもちゃや、絵本の内容を模したおもちゃ(フェルトで適当に作ったものとか……)で遊ぶのもこっこは大好き。
▼こっこが持っているのはこちら。こっこがかじるのでゾンビみたいになってきた
「しろくまちゃんのほっとけーき」を読みながら、ボウルで卵をかきまぜて「ママに!」とケーキを作ってくれたり。
象入ってるけども
絵本のために用意したものでなくても、「まるさんかくしかく」という図形が出てくる絵本には、それぞれの形の積み木を見つけてページにのせたり、「あおくんときいろちゃん」を読むときには、青と黄色のおもちゃを探したり。
こっこなりに絵本の内容と自分のおもちゃを紐づけて、新しい遊びを自分で編み出しているようです。いいことだ。
そして前述のブックコンシェルジュごっこもそうですが、親への働きかけ(「遊ぼう」とか「甘えたい」とか)にも絵本を使うようにもなりました。
たとえば寝室に置いてある「ねんね用」の本を日中も寝室から持ってくることがあり、そういうときは「眠い」「甘えたい」の気持ちのようです。
「まよなかのだいどころ」を寝る前に読むようになったのは、こっこが生後1ヶ月の頃から。絵本を見ただけでパブロフの犬のように眠くなってくれたらいいなと目論みましたが、そんな都合のいいことにはならなかったです
そういえば話は微妙に変わりますが、すごいなあと思うのがアンパンマンの絵本。
他の本と比べるとそんなに読んでいるわけでもないのに、街でアンパンマンのポスターやグッズを見かけるとこっこも「ぱんまん!」と指差したり、地面に絵を書いてあげると喜ぶようになりました。
子どもの心のつかみ具合がさすがだなアンパンマンというかんじです。
しかしたいていアンパンマングッズの隣にはバイキンマンもいますが、こっこが読んでいる本にはまだバイキンマンが登場していないので、こっこはバイキンマンを見ても「誰だこいつ」みたいな顔をしています。
ばいきんまんデビューはいつになるかしら。
やはり愛されているキャラクターの子ども心掌握力はすごいなあ。
荒川区からもらった本
こっこが生まれて出生届を出したときに、荒川区からも本をいただきました。
「みんな絵本から」というタイトルの、「子どもと絵本を読もう、会話しよう」みたいな内容の本でした。
個人的には絵本にそこまでの期待を寄せるのもどうかしらと思うし、こちらの本ではネットやスマホについて、まるで触るだけでも親子を分断し子どもがアホになる「害悪」のように主観的にバッサリ書かれているので、もうちょっとそのへん柔軟でいいのではないかと思うわたしの考え方とはちょいと合わない本ですが……。
でも区がこういうテーマの本を新しく子どもが生まれた家庭にプレゼントしてくれるという意欲に関しては、素敵なことだなと思います(なんかえらそうですねすみません笑)。
本の「ママ、スマホを置いてわたしを見て!」みたいな文章にはドキリとしました。出生届と一緒にいただく本ですが、産後半年くらいに開くのがちょうどよさそうな内容です。
ウニャウニャ書きましたがもちろん絵本も「たかが絵本、されど絵本」であるのは理解しています。
前述の「もったいないばあさん」は90歳の祖母が自分の戦争体験や”もったいない”をこっこにも伝えたいとのことで、プレゼントしてくれました。
「遺言のつもりで買ったんだけど、こっこちゃんに会ったら長生きしたくなったわ!」とのこと。よかったよ
わたしの蔵書も、亡くなった祖父が毎月贈ってくれていた図書券で買った本があります。
祖父はわたしが中学生の頃に亡くなったのでこっこには会えなかったけれど、祖父の優しい気持ちは絵本を通してこっこに伝えられます。
大好きな「くまさんシリーズ」の本も、多忙で家に帰れなかった父の顔をひと目見るべく、父の仕事場の近くだったクレヨンハウスで父をワクワク待ちながら読んでいた絵本。本の1冊1冊に思い出がたくさん。
それらの思いをすべて包み込んで、たくさん読み聞かせをしてくれた母。
絵本というのは、伝えたい記憶や残したい記憶のストレージとして最適なメディアなのかしら、とも思います。
そうして本棚に仕舞っていた絵本をこっこのために出して、古い絵本が新たに息を吹き返していく日々。また、こっこに手を引かれて未知の絵本と出会う日々。
3人で絵本にどんな記憶をためていこうか……。
と感傷的な気分になっていると絵本をビリィーと破られるので、「コリャー!! アニスンダァァ!」とそれどころではなくなります。修行が足りない。
そうそう、こっこが1歳になる前くらいに荒川区から今度は絵本のプレゼントもありました。なんてナイスな区なの。
在宅で育児している家庭向けの事業のようだ
いただいた30冊のリストのなかから好きな本を2冊選びます。知らない本もたくさんあってワクワクしました!
みんなで図書館に行ってリストの本を全制覇して選ぼうとしたのですが、まとまったところになくて探すのが大変で20冊くらいチェックしたところで断念笑。
わが家は「おおきなかぶ」と「よるくま」の2冊をいただきました。ありがとうございました〜。
「よるくま」はなんだか胸がキュッとして、最後のページで涙が出てしまいます。
よるくまのおかあさんを探しに行く話。こっこは物語の途中でたびたび「ママいなぁ〜い」とマーク・パンサーのような合いの手を入れてくれます。おかあさんを見つけるページが大好きで、「うわあ!」といつも嬉しそう
これからもこっこと夫と一緒にたくさん素敵な絵本を読みたいです。
こっこが自分で選ぶ本も、どんな本を「読んで!」と持ってくるのか楽しみです。
ただほんとに……あまり破かないでほしいわ!
▼「だるまさんの」との出会いは初めて行った遊びラウンジでした。なつかしい
▼寝る前に「まよなかのだいどころ」を読んでも基本は聞いてくれなかった
▼夫の朗読