肥えている……
アイスランド旅行記の途中ですが、タイムリーなことがあるので今日は違う日記を挟みます。
たぶんこのブログをいつも読んでくださっている方はお気づきかもしれない話ですが、わたしはなにかをちまちまと記録することが好きです。
夫と付き合い始めたときも文庫本サイズのノートを用意して、毎日落書きをしてその写真を夫にメールしたり、夫にも行った場所や観た映画についての感想などを書いてもらって、交換日記みたいにして遊んでいました。
一緒に暮らしはじめてからはあんまりそのノートは書かなくなってしまいましたが、ノートを読み返すとヨソイキの筆跡がだんだん崩れて適当になってくるさまや、夫が書くわたしの似顔絵キャラがどんどん肥えていく様子から2人の成長を客観的に見ることができて面白いです。
ノートは人生の宝物です。
荒川区生まれのおすすめノート
その名もBOOK NOTE
最近一番ノートを使う場面は、料理のレシピをメモするとき。
愛用しているのは荒川区生まれのノート、BOOK NOTE(ブックノート)です。
色が抜けているのは水をこぼしてティッシュで思いきり擦ったから……
こちらは東日暮里にある渡邉製本さんという創業72年の製本会社さんが作っているノートです。
荒川区びいきだから使っているというわけではなくて、表紙の色が可愛かったのとサイズ(B6が好き)、そしてとても丁寧な作りのノートなので、しょっちゅう開くしずっと取っておきたいレシピノートにぴったりだと思って買いました。
こんなかんじで気軽にメモしています。
全体的に薄汚れて使用感たっぷりで申し訳ないのですが、このノートの好きなところをご紹介。
ページの開きっぷりがナイス
180°フラットオープン
こちらのノートは文房具やさんで試し書きしてから買ったのですが、何が気に入ったかというとまずは開きっぷり。
レシピ用のノートはパンをこねながらだとかページを開いたままにしておきたい場面が多いので、水平開きのノートを探していました。
BOOK NOTEは「糸かがり綴じ」という上製本(高い本)で使われる丁寧な製法で綴じられていて、180度開いた状態で置けるので手がふさがっている料理中に見るのにすごく便利。安定感もあるので調理台のギリギリな場所にだって置ける。
職人さんの手仕事で作られた丈夫な綴じなので、安心してガバッと広げられます
自然に閉じちゃうミニノートをレシピ用に使っていたときは「まだ見てるのにヒィー」と言いながらめくれるページに顔を突っ込んで止めたりしていたので、いまはとても楽ちんです。
書く時間が楽しくなる紙と書き心地
吸インク性が良くてストレスなく書ける
続いて紙と書き心地。つるっと手に吸い付くような薄めの紙で、パラパラと気持ちよくページを送れます。
190ページのノートですが軽い軽い
しかし!
薄めの紙だとわたしの場合
・筆圧が強い
・あぶら手をベタッとつけて文字を書く
・字が雑なぶん書くスピードが早い
という癖のせいで、書いている途中で乾いていないインクを手ですってしまって、せっかくのノートを汚してしまうこともしばしば。
ページを汚してしまうとテンション下がる……
それをちょっと心配していたのですが、こちらの紙はインクの吸いが良いので、汚れや裏写りを気にせずストレス無く一気にいっぱい書けて嬉しい。
方眼は5mmです
きれいに書けるので、読み返すひとときも嬉しいです。
ということで「あぶら手で字が汚い人におすすめ」!!笑
書くことが特別になる紙
ちなみにノートに使われている紙は「OKフールス」という種類で、シャーロック・ホームズシリーズにもしばしば名前が出てくるイギリスの紙「フールスキャップ foolscap=フールス紙」をルーツに持つ国産の高級筆記専用紙なんだとか。
わたしが聞いた話ではフールスキャップは紙の品質ではなく、1975年に現在のA4とかB5とかのような紙の寸法を規定する国際規格が定められるまでイギリスで主に使われていた「フールスキャップサイズ」という伝統的な紙の判型のことで、これは15〜16世紀あたりにはすでにどこぞの製紙工場で用いられ始めていたという宮廷道化師のトンガリ帽子(fool's cap)の透かし(ウォーターマーク)に由来します。
こんなかんじ。
フールスキャップの透かしはヨーロッパの製紙工場で頻繁に使用され、イギリス議会の議事録用に使用された紙がたまたまフールスキャップの透かしの入った紙だったから、それ以来同じサイズの紙をフールスキャップと呼ぶようになったとかなんとか(諸説ありますがうろ覚え)。
BOOK NOTEのページにもOKフールスマークのエンブレムの透かしが入っています。
70年前のイギリス製のフールス紙のノートと並べるとこんなかんじ(祖父の学生時代のノート)。
↑ 道化師ではなく女神像の透かしですが噂のフールス紙
OKフールスは紙が貴重だった時代の「書くことの特別さ」を、現代に引き継ぐようなイメージです。
ずっと残しておきたいものの記録にぴったりですね。
表紙もかわいい
色がかわいい
そしてそして続いてのお気に入りポイントは表紙。
開いたノート(本?)をモチーフにしたマーク入りで、赤のほかは緑色と青色と黒色があります
水平開きだったりフールスを使ったノートは他にもあれど、台所の吊り棚の料理本コーナーにこの赤いノートが入っていたら絶対かわいいなあと思って……。満足!
B6だと狭い棚でも立てられてちょうどいいです。生活感あふれる棚に舞い降りた天使のようよ
特別感&使いやすい
ノートはしおりやゴムバンドなども無いシンプルなつくり。表紙は一見硬そうなハードカバーのように見えますが柔軟で、傷が目立ちにくいクロス貼り。
表紙が柔らかいのに見た目がハードカバーってわたしのなかではかなりの高ポイント
ただ水滴には弱かった。
水をこぼしたところが何箇所か色が抜けてしまいました。ガーン
わたしがギャーギャー騒いでいたら夫が「レシピノートの汚れはがんばってごはんを作っている勲章だよ」と言ってくれたので、うまく丸め込まれてそのままです。濡れたところで使う人は使う前にカバーをかけたほうがいいやも。
そんなかんじでとってもおすすめなこちらのノート。
いまは100円でもちゃんとしたノートが買える時代ですが、BOOK NOTEは2700円(税抜)。
たぶんそれ以上の価格帯のノートだとケチなわたしは「きれいに書かねば」と緊張してしまいそうなので、BOOK NOTEの丁寧なつくりなのに「少しふんぱつ」くらいのお値段は、リラックスしつつ特別なノートを作れてとてもちょうどいいです。
あ、そうだそうだサイズ展開はB6と新発売のA5の2種類だそうです。
本当にお気に入りアイテムなので、話が長くなってしまいました。
BOOK NOTEが買えるお店
どうしてこのタイミングでノートの日記を書いたかと言うと、今週から池袋ロフトで「カミメマーケット」という紙ものの催事が始まって、そちらでBOOK NOTEも販売されているからです。池袋に用事がある方はぜひぜひ立ち寄って実物を手にとってみてください。池袋といえば牛亭のハンバーグがおいしい。
ほかにBOOKNOTEを販売しているお店については
・青山ブックセンター本店
・谷中ひるねこBOOKS
・東急ハンズ新宿店
・ゼウスジャパン(川口)
・名古屋三光堂
・阪急うめだ
とのこと。
催事や取扱店がどんどん増えているみたいなので、詳細は渡邉製本さんのホームページやTwitterにてご確認おねがいします。
もちろんオンラインストアで注文もできます(オンラインストア限定でサイズ加工や名入れオプションがあるらしい! 試してみたい!)。
▼渡邉製本さんホームページ&オンラインストア
talk ARAKAWA vol.2が開催されます
ということで、荒川区は知れば知るほど面白いものがたくさんあるわぁと思う今日この頃。
最近びっくりしたことはユニコーンの「服部」のジャケットのおじいさんが、荒川区の方だったということでした。
大正10年生まれの方で、我が家とは町内会が違うのでお元気かわからないのですが、顔モデルのご活動をされているそうです。顔モデルってなんだ。
いろんな人が住み、いろんなものがある奥深い荒川区の世界。
さてさて、以前日記でご紹介させていただきました荒川区の人々の交流イベント「talk ARAKAWA」の第2回が開催されるとのことでお知らせです。
第1回は大盛況で幕を閉じ、第2回は来たる今月の25日(土)!
区外の方もウェルカムだそう。参加は申込み制なので、イベントの詳細については下記の主催のこむばさんのブログでチェックを。
わたしたち夫婦は夏休みとかぶっちゃって今回も残念ながら参加できず……
これから秋、冬と荒川区はますます盛り上がる季節を迎えます(焼き鳥居酒屋で夏のあいだお休みしていたレアささみ串が復活するなど)。
夏の終わりのtalk ARAKAWAで、荒川区のいろんな人や名物と出会えそうです。
そしてそんな思い出をBOOK NOTEに綴れば完璧じゃないでしょうか……。
▼その他の荒川区ねたはこちらから