荒川区に住んでます-うちの夫観察絵日記-

荒川区在住30代夫婦の日常。三度の飯と夫が大好きな妻による、夫観察絵日記ブログです。

金継ぎ完成……そして伝説へ

サラダスピナーはレバーが壊れていて「そろそろ買い替えよう」と思っていたIKEA製の夫が独身時代に適当に買ったやつ。こういうこと本当によくある……

 

2月から細々とチャレンジしていた金継ぎが完成しました! 

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………………。

ガシャーン

 

よりによって一番よく使うスープボウルを不注意で再び欠けさせてしまいました……。完成写真すらまだ撮っていなかったのに。栃木旅行のときに益子のstarnetで買ったものです。ぬおお……。

落ち込んでいたら、ポジティブ夫のなぐさめ。

「もう1回できてよかったねっ」

でも「取れた金継ぎ部分の数百円ぶんの金粉が無駄になったよ」と言ったら「そっかぁもったいないィィィ!」と叫んでいた

 

ということでまたステップ1の錆漆づけからやり直しです。

まぁ確かにやり直し出来るならやり直したいと思っていたので、ちょうどよかったかな。せっかくのチャンスなので1回めよりもきれいに完璧に金継ぎしたい!!

ということで果てなき金継ぎチャレンジの道は続く。

©男坂

 

今回の初チャレンジの完成品を少々、次回への反省とともに。

まずこちらは10年くらい前に親友がプレゼントしてくれた陶芸ユニット・モノエさんの階段マグカップ(モリさんとオノエさんでモノエさん)。

飲み物を飲んでいくと底から徐々に姿をあらわす階段。プールのようでかわいい。現在はオノエさんお一人でご活動されていらっしゃるようです

 

表面がぼこぼこした質感なので、削りが甘くてちょっと膨らみ気味の金継ぎが逆にカップの風合いに合っている気がして、個人的には大変いいかんじの仕上がりです。一番うまくいったかな。今度友人が遊びにきたら出してみよう。

 

続きまして、宮城の作家さん・市岡泰さんのカップ。

先日ミモザサラダをのっけていた黄色いお皿とかも市岡さんのお皿です

 

わたしが社会人になって一人暮らしを始めたとき、市岡さんのカップと平皿を買って新生活を始めました。夫もとても気に入って、昨年は夫と一緒に選んでお皿を買い足しました。我が家の食卓にあがる率ナンバーワンが市岡さんのお皿じゃないかな。和でも洋でも食べものがおいしそうに見えて良いのです。

こちらもまた思い出の詰まったカップですが、色の濃い部分に散らばっちゃって刷り込まれてしまった金粉がちょっと目立つかも……。使っているうちに薄くなるとよいのですが。

作業のときはマスキングテープとかを貼って養生したほうがいいかもしれないですね。すごく反省。

 

市岡さんの食器でウキウキしていたら深めの皿がひとつもないことに気づいて、サンポップで慌てて買ったやっすいお皿もこのとおり味わい深く。

入っているのは京都で買った幽霊子育飴。もうすぐなくなりそうです。どこかで買えないものかー!

 

最終仕上げの作業で小さなメノウで金を磨く作業があるのですが、これをやったときにせっかく滑らかな金継ぎに出来ていたのに、剥げて金に傷がついてしまいました。正直、仕上げ前の前回のほうがきれいだったような。力加減が難しいなあ。 

こちらは夫と付き合って初めて旅行に行ったときに記念に買った揃いの漆陶茶碗の片割れ。

美濃焼窯元の宗山窯のもの。夫は黒でわたしは赤!

 

内側の模様が気に入っていますが、同じデザインの茶碗はもう作っていないみたいなので直せてよかった〜!!!

しかしこちらも削りが甘かったのか、金粉を足してもうまく乗らないところがあって、弁柄漆の朱色がはみでちゃっています。シャープなかんじにしたかったけど……いいんだ、またいつか直すから。次回は「削り」の作業は研ぎ石じゃなくてサンドペーパーとガラスの爪やすりでやってみようかな。

(追記:やり直しの際はガラスの爪やすりにしました。砥石よりきれいにできた!) 

 

ということで初金継ぎチャレンジはこんなかんじとなりました。

不器用夫婦が難儀した様子がありありとわかる仕上がり。全体的に「削りが甘い」ところが次の金粉をつける工程に影響が出たような。いやー、時間もかかるし難しかったです。

でも、思い出の品だったり、廃番でもう買えないものを金継ぎで直せるようになった嬉しさが勝る!!

縁あって手にしたうつわを100年200年先までずっと使えるように、大事に使っていきたいです。

(金継ぎの前に、もうちょっと棚を片付けたり手元に注意して生きろという気もする。)

 

漆といえば、松田権六・著『うるしの話』を引っぱり出してきました。

学生時代に勉強用に買った本なのでベタベタ付箋が貼ってありますが、頭には何一つ残っていなかった

 

著者は”漆聖”とまで呼ばれた漆芸家で、こちらの本では漆芸の技法や歴史などについて書かれていますが、松田権六氏のもうひとつの異名は”うるしの鬼”。淡々とした筆致のなかにも、人生をかけて漆を探求し続けた芸術家の漆への深い愛と執念のような造詣を感じられる熱い本でした。

 

今回のチャレンジを機に読み直したところ、金継ぎのときの作業や道具、また道具売り場で見かけたものを思い浮かべたりして本の内容を「なるほど、あれのことか」と理解できる部分がありました

完成品を鑑賞するだけではなくて、制作風景を見て、さらに真似事でも実践してみることも大事ですね。

夫みたいに漆にかぶれるところまでしっかり実践するのはいやだけども。

 〜金継ぎの悪戦苦闘記録〜