緊張感みなぎるお式でした
結婚式の思い出話の続きです。
前回はこちら。
指輪交換〜玉串拝礼
指輪交換は、神職さんが台にお清めした指輪を乗せて持ってきてくださいました。「指輪は緊張したり朝だし指がむくんで入らなかったりするので、交換の際は軽く指にはめてあとはそっと自分で押し込むといいですよ」とどなたかにアドバイスいただいたのですが、夫がギュウギュウ力任せに押し込んできたのでちょっと傷つきました。
心配していた玉串拝礼は、「玉串を時計回りにまわしてください」「向かい合ってお回りください」と、その都度細かくご指示をいただいていたので失敗しないで出来ました。よかったよかった。
そして両家の代表者(父たち)による玉串拝礼の際に、新郎新婦は着席。
新郎新婦にはきれいな錦を張った「胡床(こしょう)」という椅子を用意していただいたのですが、これがわたしのでかい尻には小さくてバランスが……!!
折りたたみ式。神社によっては神前式の際はスツールっぽい椅子や長椅子などを使うところもあるみたいです
しかも慣れない打ち掛けを着ていると自分の身がどこまで入っているかわからないので、椅子との距離が測れず浅く腰掛けすぎて空気イス状態に。
それでも晴れ舞台なので微笑みは絶やさないようにしつつも頭のなかは「転げ落ちたらどうしよう」、さらに「勢いあまって机をふっ飛ばしつつパンツ全開で転げ落ちるとかしたら、みんなどんなふうにわたしをフォローするんだろうか」と悪いほうへ悪いほうへ考えが……。
人生でも5本の指に入るピンチでした。式の途中までは「もっと結婚式してたい♡」と浮かれていたのに……。
もし巫女さんによる舞を申し込んでいたら、舞の最中に限界を迎えていたことでしょう。危なかった。
あとから聞いたら母だけはわたしの座り方が失敗したのに気づいたらしく、助けに行くか介添さんに合図するかどうか迷っていたみたいです。結婚式の写真を見返してみたら、みんなが神職さんのほうを向いているなかで厳しい表情の母がわたしの尻を凝視しているという妙な写真が1枚ありました。
尻が…尻が……
胡床の座り方
そういえば胡床って戦国武将が座っているイメージでしたが、神職さんの面白いブログを見つけました。
脚のバッテンが横にくるのが正しい向き(神社で座った向き)で「文人座り」、バッテンが前にくるのが「武人座り」というらしいです。
といってもいくつかの肖像画を見る限り普通に「文人座り」で正しく座っている武将もいるので、武人が武人座りと決まっているわけではないみたいですが、なんとなく座面が横になって前傾姿勢で座る武人座りのほうが尻のでかい人間には安心感がある気がします。
武田信玄は文人と武人の両方バージョンがある
今度から武人座りをしている肖像画を見たら「自分の身がどこまで入っているかわからなかったのかな」「お尻でかかったのかな」といろんな思いがよぎりそう。
式はその後全員起立で盃からお神酒をいただく親族固めの盃、そして着席(ここでまた座り方を失敗した)、お清めをしていただいて、最初と同じくドン! と太鼓が鳴って終了。
これにて結婚式は終わり!
初めての七五三でお神酒をいただいたときのことを朧げに思い出したりして、厳かで美しくて不思議でどこか懐かしいような、とても感慨深い時間でした。
神社の神さまと神職さんと、参列してくれた家族たちに見守られて、夫と新たな家庭を築く誓いを新たにしました。腹筋と大殿筋のバキバキした痛みと共に……。
そして拝殿内や境内で記念撮影をしたあとはみんなでワーッと着替えて、会食会場に向かったのでした。
神社からの記念品
神社からは式で使った盃と、御札と、2本組の破魔矢に2人ぶんのお守り、紅白の落雁までいただけました。こんなにいろいろ頂けると思っていなかったので、夫とびっくり。破魔矢は大好きな紅白の梅の花やご神体に因んだ飾りがついていて、とっても素敵。一生大事にしようと思います。
何から何までありがとうございました荒川神社(仮)!!
本当に、結婚式をこちらの神社で挙げることができてよかったです。
お礼参り
式の1週間後に、夫とお礼参りをさせていただきました。
初めて神社にお酒を奉納するのでどんなお酒を選べばいいか酒屋さんに聞いたところ、「自分がおいしいと思ったお酒でいいんですよ」とお答えいただいて、それはそれで夫と「甲州屋で飲んだ『死神』はさすがにだめだろうな」などと言いながらあーだこーだ悩んで選びました。
もちろん要冷蔵の生酒ではない銘柄から選びます。個人の酒屋さんってのしを毛筆で書いてくださるからいいですね!
現在も荒川神社には初詣はもちろん、夫と散歩でプラプラお参りしています。
すてきなご縁ができました。
そして結婚式の一日はクライマックスへ……。
つづく。