こうしてこっこ1歳11ヶ月、初めての入院生活が始まりました
▼前回
さくさくっと書くつもりが更新遅くなってしまいましたが続きです。
大学病院の小児科で処置を受ける
タクシーで大学病院の小児科外来に到着すると、すぐ処置室に通されました。
こっこはまだボーッとぐったりしたままで、ベッドに寝かされ点滴を受け、わたしたち親は小児科のお医者さんに起きてからの状況を説明。出生からの発育記録も確認するということで母子手帳も渡しました。
実は急患で駆け込んだ個人病院のお医者さんにも説明したのですが、今回のこっこの失神の原因にはバナナを詰まらせた疑い以外に、もうひとつ大きな心当たりがありました。
それは、倒れる前日にこっこが夜ごはんを食べずに寝てしまったこと。
全然起きないので、脱水さえしなければ大丈夫よね、とあきらめてしまいました……
朝5時頃に1度起きておっぱいを飲んだので脱水にはなっていないだろう、と思っていたものの、わたしたち親としては窒息ではないなら食事を抜いたことによる低血糖を疑っていました。
こっこに無理をさせすぎた……
こっこはお昼寝をあまりしない子なのですが、それでも体力の限界で夕方4時以降に寝てしまうことがしばしばあります。
しかしそういうときも遅くとも夜8時までには起きてごはんを食べてまた寝るので、今回のように全く目が覚めず朝までこんこんと寝てしまう、というのは初めてでした。
こっこが倒れた日も朝から公園で遊んだり、1駅ぶんくらい散歩したり、いつものスケジュールですがそれなりに体力を使って過ごしていました。
でもこの日になにげなく撮った写真を見返すと、こっこの目が全部開いていないというか、ああ疲れた顔をしていたんだな、というかんじでした。
もっとおとなしい遊びをするとか、先回りして考えてあげるべきだったなあ。1歳だものなあ
帰宅後はこっこは少し眠そうに目をこすっていましたが、夕方に力尽きて夜ごはんや寝る時間が遅くなっても生活リズム的にはよくないし、早めにお風呂に入れて夜ごはんを終えるまで目を覚まさせておく作戦を取りました。この日は夫の帰宅が0時を過ぎる予定だったので、こっこをとっとと寝かせてわたしもゆっくりしたいな〜とちょっと期待していました。それがよくなかった。
しかし母子でついはしゃいで少々長湯してしまって、その結果こっこはお風呂上がりにすぐ寝てしまいました。
生活リズムが多少狂ってもいいから夕方に一度寝かせてあげればよかった。
もっと無理やりでも起こして、おにぎり一口でも食べさせればよかった。
いや、そもそも遊ばせすぎたし、こっこを夕寝させずにお風呂に入れたのはこっこのためではなく、本音は自分が夜に休みたいからだった。
母親なのにこっこの体力を見極められず、申し訳ないことをしてしまったと情けなくなりました。
お医者さんはわたしたちの説明を受けて「なるほど」と状況を整理してくれて、
こっこの失神には低血糖の可能性もあるけれど、夜ごはんを1回抜いたくらいで失神するのはちょっと考えづらい(こっこの生育歴や今までの生活的に)。
何か心臓などに重い病気が隠れていないか、てんかんの発作ではないかなどを、精密検査で確認する必要がある。
と説明してくれました。
ひとまずこっこの処置をするので親は廊下で待機するように言われました。
わたしは落ち込んでいたのですが、夫が「とりあえず、こっこが生きていてよかった」とつぶやいて、確かに落ち込むよりこれからどんなことが起きてもこっこをすぐ支えられるように、いろんな可能性やその後の流れを調べながらこっこを待つことにしました。
こっこ、意識完全回復
20分ほどで「荒川さーん」と名前を呼ばれ、こっこの顔を1秒でも早く見たくて処置室に走りこむと、そこには
「もういいよ! かえるから!!」
と、点滴のスタンドを槍のように持ちながらベッドに仁王立ちして酔っ払いのようにキレているこっこがいました。
20分前はぐったりしていたのに、ほんとに仁王立ちしてました
お医者さんに「めっちゃしゃべりますね。ずっとしゃべってますよ」と言われました。
確かに呼ばれる直前くらいに、「もういいって! わたしちょっとかえるからさあ!」とこっこらしき叫び声が廊下に聞こえてました。
ああ、こっこが復活してくれた。点滴のスタンドを握る力強い手、すっくと立つ巨躯、止まらないべしゃり。
それでも片方の手は点滴とパルスオキシメーターが繋がれて包帯でぐるぐる巻きになっていて、手首に入った点滴の針に少し血が混じっていて、こっこは痛くないはずなのですが我が子の血は一滴たりとも見たくないものだな……と胸が痛くなりました。
今このブログを書いている最中に、夫が「耳ほじってたら、耳にニキビあったみたいで血が出てきた! しぬかも、消毒したほうがいい? 見てよ!」と大騒ぎしながらティッシュを見せてきたのですが、そちらはほんと全然どうでもいいよ夫め……。
血に弱い夫
ということでこっこの姿はすごく痛々しく見えました。
こっこはわたしたちに気づくと「ママッ、さんにんでおうちかえる」と抱きついてきて、わたしはこらえていた涙が安心と不甲斐なさでボロボロと出てきて、こっこに「ママが気をつけてあげられなくてごめんね」と謝りました。
お医者さんから「ひとまず経過観察と検査のため入院していただきます。来週末までには退院できると思います」と、入院の決定が告げられました。
原因不明の失神をしたこっこと家に帰るのはさすがに怖いので、病院でしっかり経過観察していただけるのはありがたい。
というかお医者さんや看護師さんはコロナでただでさえ大変だろうに、「検査させていただきたい」とかいろいろすごく低姿勢で(「検査すっからよ、がんばろうな」くらいでもいいと思う……)、もしわたしが医大に入れるくらいの頭があるなら、怪しい医学博士にでもなって「吸うだけで20歳若返る空気缶」とかを高値で売ることくらいしか考えないだろうに……本当に大変な仕事だ。
話がそれました。
こっこはこれからすぐ脳のCT検査や胸と腹部のレントゲンがあるとのことで、睡眠導入の点滴が始まりました。
寝ているこっこの傍でわたしがめそめそ泣いていたので、入院手続きの説明に来た看護師さんが「お母さん、自分を責めないで」と慰めてくれようとして、「待って、お母さん、すごく顔色が悪いみたい。何か甘いものとかをお腹に入れたほうがいいかも」と、夫にすぐジュースなどを買ってくるように言いました。
そういえばこっこが朝ごはん前に倒れたので、わたしも朝ごはんを食べられていない。
こっこが倒れたという精神的ショックも去ることながら、わたしは朝ごはんを抜くと具合が悪くなるタイプで、なんか自分も低血糖になっている気がしました。
こっこの横で点滴打ってもらえばよかったか。あと単純にすっぴんがひどい。
入院中は眉毛書くのも面倒でずっとすっぴんで通しました。おかげでいろんな看護師さんに「大丈夫ですか、顔色が」と声をかけられ続けた……
夫がコンビニに去った途端すぐ別の看護師さんが呼びに来て、点滴で寝ているこっことベッドごと別フロアの検査室へ行くことに。
廊下で待っていると夫がジュースを持って来てくれたので、ジュースを飲みつつこっこの付き添いは夫に任せてわたしは家に戻って入院の準備をしました。
入院生活スタート。親のごはんの調達がつらいよ
かくして、大学病院での緊急入院が決まりました。小児科病棟に入院です。
覚悟を決めていたものの、1週間くらい入院するのかあ、1週間かあ……1週間……、と、ちょっといろいろ不安になりました。
コロナ対策のため、こっこと一緒に病院に泊まれる保護者は原則1人で交代は禁止。
なんとお見舞いも禁止で、洗濯物や着替えなどの物資は決まった時間に看護師さんを通してやり取りしなければならないという決まりもありました。
そしてここで愕然としたのが、「入院中の親のぶんのごはんは出ない」ということ……! そうなんだ……!!
有料で病院食をもらえるかなー、そんなおいしいものじゃないけどしょうがないわね、とか偉そうに思っていたので、ショックでした笑。
▼こっこの出産のときに病院食で固まった赤飯が出てきたな……というイメージだったので……
病院内にはコンビニがあるので、そちらで親のごはんは買い込んで共用の冷蔵庫に入れておく、というルール(でも冷蔵庫に入れられるのは3点までというルールがあり、わたしのような朝からモリモリ食べる大食らいには足りなかった)。
しかもこっこは外に出られないので、コンビニに行くときはこっこが寝ている夜か、看護師さんにこっこを見てもらって急いで行かねばならない。やりづらい……。
もしコロナ禍でなければ夫がお見舞いに来てくれている時間にコンビニに行ったり、着替えなども取りに戻ったりできただろうに。なんて不便なんだコロナめ。
そんなこんなで自宅からこっこのパジャマと洗面用具、タオル類、こっこのお茶(病院では飲み物が出ないので)、自分のパジャマと下着、お気に入りの絵本とぬいぐるみの荷物をえっちら抱えてタクシーで病院に到着すると、こっこは検査を終えて夫と小児科病棟の病室にいました。
夫も寝癖を直す暇もなくがんばったな……
こっこの病室は4人部屋。親用のベッドを入れるスペースはないので、入院中は母娘で子ども用の柵付きのベッドに一緒に寝ることになりました。
寝具なども親のぶんはないので、備え付けの枕や掛け布団はわたしが使うことにして、こっこにはタオルケット代わりにコンビニでバスタオルを買ってきました。
さて肝心のこっこはと言うと、点滴が効いたのか目の下にうっすらクマがあるもののわりといつもどおりのテンションで、足につけられたネームタグを「おおお、はがれるよおお」と引きちぎろうとしたり、夫のスマホで「いないいないばあ」を観て軽く踊ったりしていました。よかった。
しかし胸に心電図の電極、腕は点滴とパルスオキシメーターに繋がれ、コードだらけで自由に動けないのがもどかしいようでした。
そして入院中は食事前に毎回血糖値検査が行われることになりました。点滴をした状態での血糖値、点滴を外したあとでの血糖値を見るとのことで、退院するまで毎回でした。
以前夫が気絶しかけた、指にバチンと針を刺して血を抜く検査ですが、こっこは泣かずに「だいじょうぶ、でもちょっといたいね……」と気丈に耐えていました。偉い。
他にも入院中は血液検査や尿検査(おむつにビニール袋をつけて採尿するというものだった)、脳波検査がありましたが、こっこは看護師さんに「ありがとう」と言いながら自分から採血のために手を差し出したりして、1歳児のプライドなのか気丈にしていました。
それでも、外で遊ぶのが大好きなこっこが点滴に繋がれて、1日じゅう狭いベッドから出られず過ごすということ。
こっこの負担はいかなるものかなと、切なく思いました。
しかし、入院生活に音を上げたのはこっこではなかった。
つづく。(次回でおわりです)
▼今回の入院先はこっこを産んだときの大学病院だったので、出生時のカルテなどがあってありがたかったです
▼指からの採血の思い出