つづく(鍋は空焚きにはなっていませんでした。ほんとよかったやばかった……)
こっこ、意識を失う
まず、こっこは生まれてこのかた熱を出したり体調不良になったことがほとんどなくて(下痢の風邪らしきものが1回あったくらい)、2歳までにほぼ100%の子がかかると言われるRSウイルスにもたぶんかからず、我が子ながらやたら元気な子だなあと思っていました。
1歳半を過ぎてからはお昼寝をしないで過ごす日も増え、体力がついたのね〜と楽観的に考えていました。
そんな元気すぎるこっこが、1歳11ヶ月になったばかりのある朝に起きたこと。
それが、突然の意識消失からの、緊急入院でした。
この記事を書いている現在はこっこも無事退院し、検査などもすべて異常なしでまったくもって元気に過ごしています。
(最近ブログの更新が滞っていたのは入院が原因ではなくて、お昼寝しないこっこをどうにか寝かせようと日中遊びまわっていたら、こっこはお昼寝しないしわたしは体力の限界で夜寝落ちするしでいつのまにか11月が終わっていました……)
こっこの場合は怪我や病気ではありませんでしたが、いろいろなことが重なって今回の意識消失(いわゆる失神)が起きました。
このブログには子育て中の方もいらしてくださっているので、「子どもはこんなことが起きることもあるよ」という「我が家の、育児こわかった話」としてシェアしたいと思います。
朝ごはんのバナナが詰まった!?
こっこが倒れたのは、家族で寝坊してしまって9時前に起きた土曜の朝。
こっこはさすがにお腹が空いたのか珍しく朝から機嫌が悪くて、「ごはん用意するから待っててね」と言っても床に大の字になってぎゃあぎゃあ泣いて、朝ごはん係の夫が急いで朝ごはんの支度をしていました。
このあいだわたしは洗濯機を回しに行っていて、パンが焼けたトースターの音でリビングに戻りました。
そして「こっこー、椅子に座ろう〜」と能天気にこっこに話しかけたところ、床に座りこんでいるこっこの手前に、白い液体の水たまりが。
あれ、何かこぼれてる? とこっこに回り込むと、目を閉じてグラグラしているこっこが「げぶっ」と咳き込みながら嘔吐しました。
床にあったのは朝方に飲んだ母乳と、朝起きてからかじったバナナの破片。バナナを詰まらせたのかと思って慌てて口のなかに食べ物がないか確認して、育児書にあった窒息の応急処置を思い出して背中を叩きました。
そもそも吐いていたこっこは窒息ではなかったのですが、パニックでそんなこと思いつきもしませんでした。
名前を呼びかけてもぐにゃりとして目を閉じ、体も脱力していて完全に意識のないこっこ。息はしているようでしたが顔色が真っ白のように見えました。
救急車を待つか、病院に行くか
すぐに夫と救急車を呼ぼうとしましたが、以前見た”コロナの感染対策などの影響で救急車の到着にいつもより時間がかかる”、というニュースが頭をよぎったのもあり(当時はまだ緊急事態宣言中で感染者も多かった時期だったので)、それなら全速力で走れば3分ほどで行けそうな最寄りの小児科に駆け込んで、酸素吸入など応急処置をしてもらいながら救急車を待ったほうがいいのでは、と思いました。
それを夫に伝えると、夫も同じ考えだったようですぐにこっこを抱いて家から飛び出し、わたしは後を追いかけながら小児科に電話しました。走っている途中で1度、こっこが目を開けましたがまた閉じてしまいました。
小児科からは「意識がないならすぐ救急車を」とのことでしたが、もう小児科が見えていたので診ていただくことに。
夫もわたしも走るのは早くないほうですが、あとで病院に到着した時間と通話記録を見比べたら徒歩5分はかかる距離を1分半くらいで駆け抜けた計算になるので、たぶん火事場の馬鹿力で新記録を出しました……。
信号もうまく抜けられたのがラッキーだった
こっこ、意識回復
小児科に到着すると酸素チューブの用意がされていて、ベッドで診察が始まりました。
呼吸や脈がしっかりあることを確認してもらい、お医者さんにこっこの様子を説明しました。やはりお医者さんがそばにいることで安心しました。
でも、お医者さんに説明するときにこっこが最初に床に吐いたときの様子がわからなくて、朝ごはんの支度を急いでいた夫は仕方ないですがわたしは洗面所に行っていたので、油断して目を離していたことを悔やみました。
説明しながらこっこの手を握っているとこっこがふっと目を開け、
「だいじょうぶ」
と、しっかりした声でつぶやいて、そして自ら酸素チューブを「いらない」とぶん投げました。
ああ、いつもの暴れこっこだ。
しかしホッとしたのも束の間、またふっとまぶたを閉じたり開けたりして、空を見つめてボーッとしている元気のないこっこ。手足も脱力していました。
「いつもはもっと元気ですよね?」とお医者さん。
「はい」とわたしたち。
命にすぐ別条があるような状態ではない、と説明を受けて落ち着かせてもらいましたが、こんなにおとなしいこっこは新生児時代の寝起きでも見たことがなくてショックでした。
お医者さんには最寄りの大学病院の紹介状を書いていただきました。失神にはいろいろな原因が考えられるので、精密検査のため数日入院することになるだろうとのこと。
タクシーですぐ大学病院に向かおうとしたものの、夫もわたしも寝巻き姿でお財布も持っていない。わたしにいたってはノーブラ。慌てて夫が走って自宅へ戻りました。
そしてお財布とわたしのブラジャーを持ってきた夫が青い顔をしているので何事かと思ったら、
「ねえ、お鍋、火にかけっぱなしだったんだけど……」。
ということで肝が冷えました……(家は無事でした。よかった……)。
本当に、夫婦そろって動転していました。
次回は大学病院での検査とお医者さんから伝えられた失神の原因について書きます。
とにかく今回は、すぐに急患で受け入れてくださった小児科のみなさんと、順番を譲ってくださったであろう他の患者の方々に感謝です。
しかし、倒れたこっこを救急車を待つのではなく小児科に連れて行ったのは、正しい判断だったかどうかは今でも夫ともども悩みどころです(動かさないほうがいい状態だったかもしれないし)。
でも、いざ意識のないこっこを前にしたら、もしものときのために用意していたパルスオキシメーターとか、脈や呼吸の確認といったことも忘れてとにかく頭が真っ白になりました。あと火にかけた鍋とブラジャーも忘れたし夫はマスク忘れたし、なんだったら家の鍵かけるのも忘れた……。
パルスオキシメーターはこっこが妙に気に入って毎日自分で計っていておもちゃと化しています。今回は完全に存在を忘れてましたが、たまに自分が「疲れた、なんか息苦しい気がする。もしや……」というときに計って「いや酸素たっぷりだわ」と安心できるので買ってよかったです
こっこの退院後はあまりにも動転したことを反省して、そもそも今まで乳幼児の救命講習をきちんと受けていなかったことも後悔しました。
ということで、赤十字の「乳幼児の一時救命措置(幼児安全法)」のオンライン講習を申し込んでみました!
またもしものことが起こらないことを切に願いますが、頭が真っ白になっても体はちゃんと動けるようにせねば。こういう準備こそ、こっこがお腹にいるときにやっておくべきだったよなあ〜。餃子とか肉とか言っとらんで……。
▼月1回のペースで無料で開催されています↓
つづく。