調子に乗った天罰編へつづく
前回
世界最大の露天温泉・ブルーラグーン
ブルーラグーンクリニックに宿泊
アイスランド旅行の大トリを飾るのは、世界最大の露天温泉・ブルーラグーン!!
イェーイ。
ブルーラグーンクリニック(ホテル)のプライベートラグーンにて。顔に塗っているのはシリカパックです
世界最大たるゆえんは、約7000平方メートルを誇るその面積。
どれくらいかというと、荒川区立図書館「ゆいの森あらかわ」の敷地面積が4100平方メートルらしいので、
「ゆいの森あらかわの2倍近い面積の温泉だってー!?」
と荒川区民しか感心しない例しか浮かばないですが……とにかく広いです。
ブルーラグーンの写真(Wikiより)
航空写真で見るとこんなかんじ。左下の水色の部分が全部温泉です。わお!
わたしたちは巨大なラグーンの施設から少し離れた場所にあるホテル「ブルーラグーンクリニック(Blue Lagoon Clinic)」に宿泊しました(航空写真右上)。
ホテルには「プライベートラグーン」と呼ばれる宿泊者専用の温泉があり、大きいほうの日帰り温泉は「パブリックラグーン」と呼んで区別しています。
当時は客室が15部屋くらいしかなかったので、出発まで1ヶ月を切っている状況で予約が取れたのは本当にラッキーでした。現在は「シリカホテル(Sillica Hotel)」に名称変更し、部屋もだいぶ増えたみたいです。
ブルーラグーンは天然の温泉ではなく、もともとは地熱発電所が地下海水を汲み上げて、その水を真水と海水の混じった温水に分けて不要な温水を排水した際に、温水に泥状のシリカが含まれていたため溶岩がシリカで塞がり、だんだん温水が貯まって溶岩が水没し巨大なプールのようになったのが始まりだとか。
この白い泥状のシリカに皮膚病に対しての効果があることが発見され、保養地となりました。
ということでブルーラグーンは溶岩平原のど真ん中に位置しているので、 ホテルは溶岩を掘って建てられたもの。部屋の外には苔のむした溶岩の壁が迫ります。
デッキに出ると、ダイナミックな景色が広がっています。
ベッドに寝っ転がって窓の外を眺めれば、なんだか宇宙旅行に来た気分です。
ホテルのインテリアもシンプルで素敵なんです!
貸し切り気分のプライベートラグーン
さっそく部屋のシャワーを浴びて水着に着替え、ガウンを着てホテル内のプライベートラグーンへ。 ガウンで歩いてOKなので楽ちん。部屋と同じく温泉も溶岩に囲まれています。
プライベートラグーンは7000㎡もないですが、充分広くて気持ち良い〜。そしてとても静かです。
泳ぐ夫
温泉の温度はだいたい39℃。風が冷たいのでもうちょっと温かくても嬉しい。ブルーラグーンのお湯はパブリックもプライベートもボイラーで温められています。
温泉のあちらこちらに置かれたバケツにはパック用のきれいな白いシリカが入っていて、顔や体に塗って泥パックを楽しめます。シリカにはリフト効果もあるそうで、わたしはここぞとばかりに塗ったくりました。肌の弱い夫は「なんかぴりぴりする」と言ってすぐ洗い流していました。ちなみに髪はバリバリゴワゴワになる。
肌に良いシリカを多量に含んだミルキーブルーのお湯は、海水が混じっているのでとてもしょっぱい。
氷河トレッキングでできた靴ずれにめちゃくちゃ滲みる……。
いやな予感。でもがまんした
温泉の底にも白いシリカが溜まっているので、床は柔らかくてふかふかです。「くれぐれも指輪など貴重品を落とさないように」とのこと。確かに失くし物をしたら見つからなさそう。
足がズキズキ痛いですが入っているうちにまぁ慣れてきて……ああ極楽です。
パブリックラグーンへ
ホテルの宿泊者はパブリックラグーンのガウン付き入場券ももらえるので、溶岩のなかを歩いて10分弱ほどの距離にあるパブリックラグーンへも行きました。
プライベートラグーンに入ったあとだったので湯冷めして寒かった
パブリックラグーンはいろんな国から来た人たちでひしめきあっていて、なんか複雑なダシが取れてそうなかんじでした。
いざ飛び込んでみると……
大きさに感動する以前に、ぬぬぬぬるい……!!笑
震えていたのでパブリックラグーンでの写真は1枚もありません……
冬だったからかもしれませんがパブリックのほうのお湯がとてもぬるく感じて、半乾きの髪で歩いてきたのもあってちょっと風邪を引きそうになったので早々に退散しました。
あったかいときもあるみたいなのできっとボイラーのタイミングですね……。
冬はホテルとパブリックラグーンの距離がつらいんだな
パブリックラグーンは温泉のなかに洞窟っぽい場所があったり、とにかく広くて探検が面白かったですが、肩車をしてはしゃいでいる若者がいたり、更衣室がイモ洗い状態だったり、まったり湯治客がメインで静かなプライベートラグーンとはだいぶ雰囲気が違いました。
浮き輪はプライベートラグーンのサービス。パブリックでも有料でいいから借りられたらいいのにな
バケツのシリカもたくさんの人が手を突っ込むせいか、プライベートラグーンのバケツのシリカよりだいぶ薄まっちゃってザラザラしていましたし、お湯自体もパブリックはなんだか薄かったです(底にシリカも溜まっていなかった)。
正直、来る前は「ブルーラグーンのホテルの宿泊料高いなあ〜」と思っていましたが、これだけ温泉の質が違うなら値段も納得。
実際ホテルは皮膚病の治療で来る人のための施設なので、プライベートラグーンのほうが温泉の成分が良いそうです。
ということでシリカ温泉の効能を確かめるためにも、温泉好きは絶対ホテルに泊まったほうが満足できると思います。
もちろんパブリックラグーンでしか味わえない、憧れの「世界最大の温泉」に入る喜びは何にも代えられませんが!
んが、いかんせん冬場はプライベートラグーンで使った水着を絞ってビニール袋に持っていって、またパブリックの混雑した更衣室で濡れて冷え切った水着を着直すのが寒くてつらかった……。
ホテルに1泊しかしないなら、パブリックラグーンはレストランで食事をしながら外から見るだけで充分だったかもしれないなあ……。
ということでまた半乾きの髪でホテルまでの600mをヒーヒー走って帰り(更衣室のドライヤーが大行列であきらめた)、再びあったかくて空いているプライベートラグーンに飛び込みました。
荒川のセレブにはプライベートラグーンがふさわしいのかもしれませんね。
あとで天罰を受けるので調子に乗らせてください
念願のオーロラ?
温泉は夜22時までのんびり入れました。辺りは真っ暗で、温泉のライトアップも最小限なので完全な闇に包まれた溶岩帯の地平線はちょいと不気味!?
「最後の日くらいオーロラ見たいよー」とオーロラリベンジに燃える夫。
オーロラを探しながら、温泉をプカプカ。クローズまでのんびりしていました。
けっこう暗い
新婚旅行のなかで、一番何にも追われることもなくホッとした時間だったかもしれないな……。毎日限界に挑戦して本当に大変な旅だった……。
夜空にオーロラっぽい赤いモヤモヤした光も見えたような気がしましたが、夫いわく「あれはオーロラじゃない、ぼくが見たいオーロラは緑なんだ」。オーロラはまた次回の旅にお預けとなりました
アイスランド最終日の食事は部屋で取ることにしました。
街で買ってきたパンとハムとチーズでサンドイッチを作り、モルトを飲み、氷河で遭難したときに食べようと日本から持ってきたインスタントのクラムチャウダーをすすりました。ホテル内のミニバーにもお寿司のパックやサラダ、お酒類も売っていました(だいぶモノの割に高かったけど)。
夫は旅行を終えた現在も「やっぱり最終日はちゃんとレストランに行けばよかったよ〜」と言っていますが、実は旅行中はたくさんおいしいものを食べたはずなのに、夫と頭を突き合わせてモソモソとサンドイッチを作って食べたこの慎ましい夜ごはんを気に入っているわたし。
場所は世界の果てのリゾートなのに、夫とああだこうだ言いながらサンドイッチを作っていると、なんだかふだんの休日の気分。旅行の非日常も楽しいけれど、わたしは夫とのなんでもない日常が一番好きみたいです。
ありがとうアイスランド
午前3時、起床。8時発の飛行機にて、いよいよアイスランドとの別れがやってきました……。
日常が好きとか言いましたが、いざ「帰るよ」と言われると「帰りたくない! もう1泊してリゾート気分を味わわせてくれ!!」と思ったので前言撤回します。非日常の温泉リゾート最高!!
ホテルから空港へは約20分の距離。
ということでタクシーに来てもらうのは6時くらいでいいかなと思いきや、ホテルのフロントスタッフいわく「朝の空港はものすごく混雑するから5時に出たほうが良いよ」ということでロビーには午前4時半集合となりました。
ホテルはとても静かなので、こっそりと支度。朝食バイキングは叶いませんでしたが、ホテルがパンとサラダ、スキール、果物などの朝食プレートを用意してドアの前に置いてくれたので、ラウンジからコーヒーを持ってきて飲みつつゆっくり朝ごはんが取れました。やっぱりスキール美味しい。
迎えのタクシーは5時前に到着し、空港へと向かいました。車窓の外は真っ暗。白い雪がちらつき、巨大な生き物のような溶岩の壁がどこまでも続く道です。溶岩の向こうからぬっと恐竜が現れそうな、数億年前の夜はこんなかんじだったんだろうな、と自分の心の原始的な部分がざわつくような不思議な景色でした。
空港は大混雑でチェックインに時間がかかったので、確かにフロントの言うとおり早めに出て正解。
怒涛の新婚旅行もこれで終わり。
旅行最終日の思い出を飾ってくれたブルーラグーンは、本当に素敵な場所でした。
また泊まりたいな。
お土産に買った「アイスランドモス(苔)とタイムのブレンドティー」。苔のお茶はアイスランドの伝統的な飲み物。スッキリした味ですがこれを飲むと異様にトイレが近くなる
ちなみにレストランが遠くて不便なのが玉にキズなホテルでしたが、2018年にパブリックラグーンに新たにカジュアルレストランや完全プライベートラグーン付き客室もあるホテルがオープンしたらしいので、次回はそちらに泊まってレストランで食事もしてみたいです。やっぱりレストランはホテルと隣り合っててほしいですもんね。
と思ったら最低でも1泊15万以上するのか……そうしたらやっぱりまた600m歩くか……。
こうしてアイスランドをあとにして、デンマークで乗り継ぎ。
お土産を買ったりレストランでごはんを食べて4時間ほど空港内で時間を潰し、スカンジナビア航空で成田へ。
空港のLe Sommelier Bar & Bistroのタルタルステーキ・ラベージマヨソース添え(199dkk)がけっこう美味しかった。「価格が高い」というレビューの多いレストランですが、アイスランドから帰ってきた身には「あらメインが日本円で5000円もしないなんて、安〜い」という感覚になっている。恐ろしい。
アイスランドお土産にはOmnomのチョコやブルーラグーンのコスメセット、デンマークではビールやサラミを買いました。
パッケージがかっこいいレイキャヴィークのチョコメーカーOmnomのチョコ
空港をウロチョロしているうちに、だいぶ足の靴ずれがヒリヒリ痛くなってきたので、おとなしくしていました。
機内では夫はちょこちょこ起きていたようですが、わたしはもう体力の限界で事切れたようにごはん以外の時間はずっと寝ていました。
足が痛いなあ〜、帰ったら消毒して絆創膏しなきゃなぁ〜と思いつつ……。
つづく。