まるであの夢の国だわ! でも、本気の鼻歌を歌っている陽気な老若男女(外国人も)がやたら通り過ぎるのは、うちの近所だけなのだろうか
荒川区の住みよさについて、その2。
今回は「治安」、「物価」、そして住んでいて避けては通れない「ここはいやだ」という荒川区の闇を紹介して、まとめてみたいと思います。
地価は上がってきたよ
住宅基準地価上昇率が1位
前回は利便性がいいからコスパが良い、みたいなことを言いましたが、荒川区はなんと今年の住宅地基準地価上昇率が第1位!
◆23区の住宅地上昇率、荒川区が最高5.3% 基準地価(朝日新聞)
◆都内基準地価 前年比平均3.0%、5年連続上昇(東京新聞)
2017年9月20日
1位が南千住8丁目、2位が西日暮里4丁目。23区中の1位2位を独占と、勢いを感じます。
基準地価は置いておいても、ここ最近は新築物件の購入には「すごく割安感のある地域」とは言えなくなってきたかもしれません。それでもまだまだ近隣の区の相場と比較すれば、賃貸含めて穴場なかんじはします。
参考:東京23区「駅別」マンション価格上昇の全貌 | 不動産 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
物価
スーパーが点在、個人商店で買う楽しさも
物価はすごく安いわけでもないですが、どのエリアにもスーパーやドラッグストア、まいばすけっと、100均が点在していて、お買い物には困りません。
今はネットストアや個人宅配もありますし、手に入りにくい製菓材料は北千住で買いだめしています。
あと西日暮里NASの近くにあるインドスパイス屋さんがお気に入り。珍しいスパイスがあります!
コーヒー好きには嬉しい、自家焙煎コーヒー豆を売っているお店もたくさん。
そして昔ながらの商店街や個人商店で買う楽しさもあります。近所のお肉屋さんではいつも「何つくるのぉ〜?」と聞いてくれて、メニューを言えば熟練の技でその料理に合うカットをしてくださるのですが、これがもうカット済のお肉パックや自分で切るのと全く違って、素晴らしいんですよ!
もしものときも安心
病院が多い
個人病院も多く、大学病院も近隣にいくつかあるのでもしものときも安心です。
救急病院の選択肢がやたらあって、どこに連絡しようか迷ってよけい熱が上がった(ちなみに蜂巣炎でした)
余暇・娯楽
おいしくて安い居酒屋さんや飲食店が多い
夫はこれに惹かれて荒川区に越してきたようなものです。もう荒川区以外では飲めない……!
▼くわしくは「荒川区グルメ」記事にて
大きな公園と図書館がある
荒川自然公園、あらかわ遊園(遊園地、動物園、釣り堀)、尾久の原公園、汐入公園、天王公園、西日暮里公園など、緑や子どもの遊び場も多いです。
舎人ライナーで舎人公園に行けばピクニックも(なんとキャンプもできる)。
そして2017年にオープンした図書館、ゆいの森あらかわは大人も子どもも楽しめる施設となっていて、おすすめです。
国の重要文化財、旧三河島汚水処分場も見学ができます。すっごく面白い!
※あらかわ遊園は2020年に向けたリニューアルのため、2018年末を持って休園予定。
参考:あらかわ遊園リニューアル、20年、観覧車など刷新開業 :日本経済新聞
歴史ある神社やお寺があり、お祭りや初詣が楽しい
区で一番多くの氏子を持つ素盞雄(すさのお)神社は、なんと795年創建と伝えられる歴史ある神社。地元では「天王さま」と呼ばれ、大きなお神輿を左右に振るダイナミックさが名物の「天王祭」は大盛り上がりです!
ほかにも雰囲気の良い神社や仏閣があり、縁日や初詣を回るのが楽しいです。
わたしたちも氏神さまで結婚式を挙げました(くわしくは夫婦のなれそめ話の結婚式準備編で)
飛行機・新幹線に乗りやすい
荒川区エリアは日暮里をハブにして京成線へのアクセスが良いので成田空港へ行くときに早い!
また東京駅・上野駅へのアクセスも良いので新幹線にも乗りやすいです。旅行や出張に便利。
電車の所要時間のざっくりした図。書ききれませんでしたが都電荒川線、舎人ライナーも区の縦横をカバーしているので便利。そして駅の住所的には北区ですが、近年注目を集めている「尾久駅」も近い
都心の娯楽施設に行きやすい
宝塚や歌舞伎座へもすぐ行けるし、上野や乃木坂の美術館に行くのも便利。そして最近は御徒町にTOHOシネマズがオープンしたので、映画館に行くなら上野や日比谷が近いです。わたしたち夫婦は観劇と美術館に行くことが趣味なので、これは荒川区に住んでいて便利だなあといつも思います。
ふだんのちょっとしたショッピングは北千住で
無印、ユニクロ、UNICO、TOMIZなどなど北千住にルミネとマルイがあるので、新生活の準備も日常の買い物も、たいていのことは北千住に行けば用が済んじゃいます。あと最寄りのニトリは上野かな。もちろん日比谷(有楽町・銀座)も近いので、パパッと買い物が出来ます。
荒川区の治安
イメージとは裏腹に事故と火事の少なさ第1位
わたしにとって荒川区から離れられない理由のひとつは、実は治安面の安心感だったりします。
下町は犯罪や火事が多そうな、治安の悪いイメージですよね。
しかしなんと!!
平成28年の荒川区におけるデータによると、
荒川区は23区中でも
・犯罪減少率:第1位 荒川区
第2位練馬区 第3位杉並区
・交通事故の少なさ:第1位 荒川区
第2位文京区 第3位北区
・火災発生の少なさ:第1位 荒川区
(「荒川区防災かわら版」 2017年新春号より)
と、すべてのイメージを覆す結果となっています。
独り歩きは気をつけて
ただ、区の面積の小ささと人口密度を考えると犯罪発生率はそれなりだし、荒川区には工場なども多いので、夜になると人通りや街灯が少なくなる場所や、あと資材置き場がある場所なんかは独り歩きがけっこう怖いです。
ありがたいことに昼夜問わずおまわりさんのパトロールや青色灯をつけた区のパトロールカーが頻繁に巡回してくれているので、深夜の帰宅の際も今のところ怖い目にあったことはないですが、バイクや自転車によるひったくり事件、強盗、未解決事件もチラホラあるので気をつけるに越したことはないです。
あと夜道でよくあることが、酔っぱらいとの遭遇。車道に倒れている酔っぱらいを歩道に引きずったり、泥酔したおばさんにしがみつかれて家まで送らされたことが……
荒川区で多い軽犯罪
ちなみに荒川区で多い軽犯罪TOP3は、自転車盗、粗暴犯、万引き。次点が侵入窃盗。
参考までに、一人暮らしのときに特に気になる「ひったくり」と「侵入窃盗」の発生地域はこんなかんじ(2016・2017年度のデータです)。
「△ひ」マーク:昨年のひったくり 「◯ひ」マーク:今年のひったくり 緑〜黄エリア:侵入窃盗(緑1〜4件、黄緑5~13件、黄14〜39件)
(犯罪情報マップ 警視庁)
ひったくりの発生場所はやっぱりちょっと暗かったり、人通りが少なくなる場所かもしれないです。
自転車があったらまた違うのかもしれないですが、わたしは自転車にふだん乗らないので、一人暮らしの際は近くに飲食店やコンビニがあるような夜でも人通りの多い物件を選びました。
災害時のリスクが高い場所も
火事については、古い木造家屋が密集していたり、道幅が狭く入り組んだ路地が多いので、正直心配といえば心配。消防車が入れなくて遠くのマンションからホースを繋いでいるところを見かけたことも。
東京で直下型地震があった際に危険な「火災旋風」のリスクなどが高い場所などもあり、建物倒壊危険度や災害時活動困難度を見ると、
(「地震に関する地域危険度測定調査(第7回)」東京都都市整備局 2017年8月更新より)
荒川区、危険度レベルがほぼ真っ赤。ヒィー。
東京都下の全5133町丁目中の総合危険度でも1位(町屋4丁目)2位(荒川6丁目)をマークしています。ただ、同じ町内でも込み入ったところ、通りに面しているところ、謎の廃屋があるところなどで危険度は変わるので、やっぱり「場所による」というかんじです。
都でも、災害に備えてあちこちで都市計画道路の整備を進めているみたいです。
◆都電も大改造、計画道路と一体で整備中
...都は都電通りの町屋一丁目と荒川一丁目の間約1200mを「木密地域不燃化10年プロジェクト」の特定整備路線のひとつに指定。震災時などに市街地の延焼を遮断したり、木密地域の防災性や耐火率の向上を図ったりしている。 ...
(日経コンストラクション 2014年12月2日より)
うちの近所ではその計画道路工事の一環なのか、夜中になにかの工事をしていることが多いので、夜道がライトでビッカビカで安心……笑。
一人暮らしでも安心して暮らせる街
治安面の良いところと不安なところをそれぞれ書きましたが、リスクのある行動を避ければ、荒川区はパトロールも多いし地域の目もあるし、女性の一人暮らしでもファミリー世帯でも住みやすい場所だと思います。とはいえもちろん住む物件の立地や条件によるところも大きいですが、これは荒川区に限った話ではないですね。
わたしが一人暮らし用の物件を探したときは、仲介さんに案内された物件の真後ろが不法投棄物だらけの空き地と廃屋で、さすがに夜道と放火が不安で違うところにしました。 物件選びは慎重に!
荒川区のここがいやだ
自転車マナーが悪い
荒川区に越してきて驚いたことは、自転車乗りのマナーの悪さでした。
ただでさえ狭い道幅の歩道を我が物顔で割り込んで爆走する自転車、ぐちゃぐちゃの違法駐輪。
もちろんマナーを守って運転している方もたくさんいらっしゃいますし、ここ数年は駅前などは駐輪場や監視員さんが増えてだいぶ整備されましたが、んが!!!
自転車から降りて地面に足をつけたら溶ける呪いでもかかっているのか? というような自分勝手で無理やりな運転をする人がいます。
・自転車による交通事故の割合は、交通事故全体の約半数を占めています
・30歳代、高齢者の事故が多発
(「自転車による交通事故」荒川区 2017年6月)
荒川区内の交通事故の56%は自転車事故、しかも30代・60代という大人世代が多いです。
越してきてから現在まで、自転車マナーのひどさは気になります。それ以外は荒川区に不満は無いくらい!!
よその町から「荒川区ってどんなところかしら」と遊びに来たひとが、マナーの悪い自転車乗りに「チリンチリン!!」とけたましくベルを鳴らされ、体スレスレを爆走なんかされて、「荒川区ってひどい街だ」と印象が悪くなってしまったら、とても悲しいです。
道路幅が狭いから仕方ないのかもしれないけど、歩行者をタイヤでかき分けるような運転はやめてほしい
ちなみに荒川区は、自転車の駐輪違反については自転車撤去保管手数料は5000円と、23区内でも高い罰金を課しています。(参考までに、世田谷区は3000円、千代田区は2000円)
まとめ
転入者なりに、荒川区の住みやすさについて述べてみました。
終の住処になるかはわかりませんが、荒川区に住むことはわたしたち夫婦の現在の生活スタイルにとても合っています。
そして、もし自分がまた一人や二人暮らし用の物件を探すとしても、荒川区はやっぱり治安や物件価格、アクセス、雰囲気の面で住みやすい場所なので、いろいろおすすめポイントをまとめたくて日記にしてみました。
荒川区内の学校に通ったことはないので教育レベルについては書けませんでしたが、コンビニや駅ビルなどで荒れてそうな子どもは見かけたことはないです。塾が多いので、教育熱心な家庭が多いのかも。夜も静かなものです。(むしろ酔っ払った大人がうるさい)
わたしが荒川区に越してきた頃は、荒川区内の学校に通う友人が出来たり、また荒川区に越したと聞きつけて、荒川区在住の知らない先輩まで顔を出してくれたりして、みんな「みどり園のパフェ」や「ベビーカステラの屋台」「好きなもんじゃ屋さん」などなどおすすめの場所やおいしいものを教えてくれたりして、振り返れば面倒見の良い子達が多かったなあと思います。そして地域のワークショップやアートイベントにも参加して、街の歴史や工業も学ぶことができました。「自分が住む街を掘り下げて面白がること」は、荒川区で出会った人たちに教えてもらった財産な気がします。あ、あと食べ歩き文化も。
学生さんたちとすれ違うと、その頃の思い出がよみがえります。
友人の漕ぐ自転車の六角に乗って、たこ焼きを食べに行ったり……。
しまった、わたしも自転車マナーが最悪だった。
偉そうに「荒川区民の自転車マナーが」とかブツブツ書いて、すみませんでした。
道路交通法を守って、楽しく暮らそう荒川区!
おわり。
追記:2019年秋に第一子が生まれ、荒川区の子育て支援のサポートを受けるようになりました。荒川区は「子育てしやすい街・荒川区」を目指しているらしいです。
▼そのほかの荒川区話はこちらから。