荒川区に住んでます-うちの夫観察絵日記-

荒川区在住30代夫婦の日常。三度の飯と夫が大好きな妻による、夫観察絵日記ブログです。

レアンドロ・エルリッヒ展と不審な夫

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または《決死のスケベ》

 

六本木の森美術館で開催中の、レアンドロ・エルリッヒ展へ行ってきました。

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レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル | 森美術館 - MORI ART MUSEUM

 

レアンドロ・エルリッヒ(1973-)はアルゼンチン出身のアーティスト。

目の錯覚のトリックを使ったような映像やインスタレーション作品を制作していて、日本国内では金沢21世紀美術館に常設の《スイミング・プール》が有名です。

 

今展覧会は、国内外含め過去最大規模の展示ということで、8割が日本未公開作、そして新作も多数。

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展示作品についてあんまり書くと、実際の展示に行ったときの「おおお!?」が減っちゃうので感想は控えめにしておきますが、映らない鏡、果てしないエレベーター、どこかへ続くドアなどなど不思議な作品がたくさん。今回の目玉であるアパートメントを舞台にした作品《建物》も、実際に見ると「ああ、こういうふうになっているのね!」と面白かったです。

 

わたしはエルリッヒの作品は《スイミング・プール》しか観たことがなかったので、今回の展覧会で初めてたくさんの作品に触れました。感じたことは、まるで足元の地面が揺らぐような「危うさ」。

いま自分が在る世界で自我を保つための秩序や常識、当たり前だった世界と自分の信頼関係がエルリッヒの作品によって覆され、別次元の世界、別次元の自分と相対させられたり、在るはずの「わたし」が無視されます。

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ん!?

 

仕掛けはそれこそドリフのコントの舞台装置で見たことあるような単純なものだったりするのですが、展覧会に足を踏み入れた前と後では立ち方を忘れてしまうような、そんな「危うさ」を楽しめました。

 

学生時代にエルリッヒ作品を越後妻有のトリエンナーレで観て、今回の展覧会を楽しみにしていた夫は「日常空間ではない狭い美術館内で彼の展示ばかりだと、持ち味が薄くなっちゃう気がする。できれば屋外や見慣れた建物をドーンと使う作品を観るほうがぼくは楽しいな」とのこと。夫が今回の展示で一番おもしろかったのも、ブエノスアイレスの共和国広場にある「オベリスコ」のてっぺんを取っちゃう(実際は蓋をしている)という《シンボルの民主化》というプロジェクトの記録写真だったそうです。ひねくれた夫だ。

これすごく面白い!!

 

でも確かにわたしもちょっと残念に思ったポイントがそこで、今回のような室内のみの展示はどうしても「用意されたセット(舞台装置)」っぽくなっちゃうので、鑑賞前に現実と分断されすぎていて作品の面白さに深く入り込みづらかったです。特に日本の廃校を舞台にした《教室》は真横から眺める構図も汚れ具合の作り物感もまさしくドリフの学校コントのセットで……(そんなこと思うのわたしだけか)。

 

といいつつ全力でエンジョイしている夫と、それをキャッキャと撮影する妻。(ズーム)

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作品タイトル《逃げる間男》

 

気になるのは美術館の混雑状況ですが、わたしたちが行った平日の夜(ごはんどきを狙って18時)は空いていたので、作品のなかに何度も出たり入ったりしたり、待ち時間なしでのびのび作品を楽しめました。美術館を出るときはチケット売り場が混雑していたので、たまたまだったのかな。以前別の展覧会のときも平日18時に入ったらガラガラだったので、おすすめです18時。

 

ということでエルリッヒ展、楽しかったです。次回は屋外でドーンとか、建造物がドーンと変わっちゃうようなダイナミックな作品が見たいです。

 

展覧会は4月1日まで。

そうそう、今年度の大地の芸術祭でも新作の展示があるそうです。行きたい〜。

 

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